無事に企業から内定をもらった学生の方々は、来月からいよいよ社会に出て働き始めることになります。
ところで、学生から社会人になった時に最も戸惑うことはコミュニケーションだといわれます。周りは全員目上であるのに加えて、忙しいからと冷たくあしらわれたり怒られたりといったことが続くと、この先ずっと働き続けていけるのかと自信を失ってしまうこともあるかもしれません。
『コクヨのコミュニケーション仕事術』(下地寛也/著、総合法令出版/刊)は、そんな職場でのコミュニケーションに焦点をあてた一冊。
上司を「右脳(感情)指向/左脳(論理)指向」、「リーダー(挑戦)指向/フォロワー(貢献)指向」という区切りで4タイプに分類し、それぞれの特徴と対処法を紹介しています。
■右脳リーダー(感情・挑戦)タイプの特徴
右脳リーダータイプの上司はいつも前線で部下を引っ張り、大きな仕事にも果敢に飛び込む勇気を持っています。しかし、部下にもその姿勢を求めるため、チャレンジする気概がない部下には不機嫌になることも。
また、走りながら考えるようなところがあり、新しいことを始めるのは得意ですが、そのための分析は苦手。
このタイプの上司には、自分では抱えきれないような細かい作業を積極的に引き取ってあげると喜ばれます。深く考えずにどんどん突っ走るタイプなので、考えを否定せず段取りや計画を引き取る意識を持って接すると重宝されるはずです。
論理的に考えることはあまり得意でないため、質問をするときは選択肢を示しながら聞くのもポイントとなります。
■左脳リーダー(論理・挑戦)タイプの特徴
新しいことに積極的に挑戦していく気概を持ちつつ、そのための考え方も持っているタイプの上司です。
このタイプは常に冷静に物事を考えられる反面、場を盛り上げたり、部下のモチベーションを高めたりするのは苦手。このタイプの上司や先輩の下についたら、常に明るくふるまい、チームを盛り上げるムードメーカーになると高く評価されるはずです。
怒るポイントとしては、部下が深く考えずに行動した時などが挙げられます。
■右脳フォロワー(感情・貢献)タイプの特徴
真面目で人当たりがよく、社内の調整業務もこなせるタイプ。
頼まれたら嫌と言えない人の良さがある一方、抱えている仕事の量が多すぎて頭の中がごちゃごちゃになってしまうことも。また、新しいことに取り組んだり、企画を考えることが苦手という面もあります。
このような上司の下では、上記のような性質を理解して、彼の頭が整理できるように話を聞いてあげたり、企画立案など苦手な部分は肩代わりしてあげるといいでしょう。
部下が殻にこもったり、大人しすぎると困ってしまうため、どんどん積極的に動いてチームの切り込み隊長になると一目置かれるはずです。
■左脳フォロワー(論理・貢献)タイプの特徴
細かいデータを分析してまとめたり、資料を作り込むのが得意なのが左脳フォロワータイプの特徴です。
このタイプは自分も部下も細かく管理する傾向があるため、報告のクオリティは重要。あまり大雑把だと怒られてしまいます。
新しいことに取り組む重要性は理解しているものの、今の忙しさや部下の苦労を考えるとなかなか最初の一歩が踏み出せないせいところがあるので、ところどころで彼の背中を押したり、元気づけたりする言葉をかけてあげると、信頼を得ることができます。
文房具のイメージが強いコクヨですが、実はオフィス家具の販売や働き方のコンサルティング事業も行っており、本書にはそこで培われた職場でのコミュニケーションスキルが、あらゆるケースごとに整理され、解説されています。
仕事の9割はコミュニケーションで決まると言っても過言ではありません。
仕事がしやすい環境を作り、ストレスなく社会人生活を送るためにも、今のうちから「社会人のコミュニケーション」のコツを勉強しておいてみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部)
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