私たち日本人にとって「漢字」はなじみが深いもの。それ故に、まちがった使い方をしていてもなかなか気づかないことも意外と多いのです。
たとえば、女性が結婚生活に必要な技能を習得する「花嫁修行」という言葉がありますが、この漢字もまちがっています。一体どこがまちがっているのかわかりますか?
今回は『コミックエッセイ 意外に知らない けっこう間違いやすい漢字』(卯月啓子/原案、うだひろえ/画、アスコム/刊)から、日本人がついまちがって使ってしまっている漢字をいくつか紹介します。
■「花嫁修行」なんてものは存在しません
「修行」とは、悟りをめざして心身浄化を習い修めること、仏道に努めることを指します。
対して、花嫁が結婚してから困らないための技能を身につけたり、板前が料理の腕を磨いたりするのは「修業」です。
これを踏まえると、私たちが行う「しゅぎょう」の大部分は「修業」だといえそうですね。このことを意識するだけで、「しゅぎょう」の漢字を書き間違えることも減りそうです。
■「河川敷」の読み方は「かせんじき」ではありません
治水工事が施された河川の中で、普段水が流れていない平坦な土地のことを「河川敷」といいますが、多くの人が「かせんじき」とまちがえて読んでしまっています。
「河川敷」は、正しくは「かせんしき」です。
それから、「肉汁」を「にくじる」と読んでいませんか? 実はこれ、正解は「にくじゅう」です。
「出汁」(だし)、「灰汁」(あく)などもまちがった読まれ方をすることが多いようですので、これを機に正しい読み方を知っておきましょう。
■「卵」と「玉子」は同じようで別物です
「卵」も「玉子」も、「たまご」と読むため、つい混同して使ってしまいそうになりますが、両者には決定的な違いがあります。
「卵」は調理前で、生まれたままの姿の「たまご」を指し、「玉子」は調理した後のものを指すのです。
これに倣うと「生たまご」は「卵」、「厚焼きたまご」は「玉子」ということになります。
本書を読むと、普段いかに自分が漢字をまちがって使っていたかを痛感するに違いありません。
今回紹介したものは本書で取り上げられている内容のごく一部。他にもまちがえやすい漢字や、漢字にまつわる知られざる豆知識が本書には網羅されていますので、人前で恥をかかないように、正しい知識・使い方を今のうちに覚えておきましょう。
(新刊JP編集部)
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