近年の資格ブームもあって、仕事をしながら資格試験の勉強に励んでいるという人は多いことでしょう。
しかし、仕事と勉強の両立は簡単ではありません。仕事が忙しいほど、目指す資格が難しいほど、"今の勉強スタイルで合格するだろうか""暗記のいいやり方はないかな?"など、自分の勉強法が不安になってきたりしませんか?
『資格マエストロがこっそり実践する 驚異の『合格』勉強術』(ソフトバンク クリエイティブ/刊)の著者、鈴木秀明さんは、行政書士や中小企業診断士といった難関資格から、アロマテラピー検定1級のようなちょっと変わったものまで、実に300もの資格を持つ"資格マニア"。そして、それだけの試験に合格してきた同氏は、まさに試験勉強のスペシャリストだといえます。
本書は、そんな鈴木さんが経験から導き出した、ストレスなく結果が出せる勉強のテクニックを網羅。しかし、その内容は巷でよしとされている勉強のやり方とは一味もふた味も違います。
■勉強するには「朝型」が一番はウソ?
朝は頭が冴えているから、勉強をするなら朝型の生活に変えるべきだとよく言われます。夜型生活をしている人の中には、それなら自分も、と朝型生活に変えようとしたものの、起きられずに挫折したという経験がある人もいるはず。
そんな時、どうしても朝起きられないのなら、無理に朝型生活に変える必要はありません。
佐藤さんによると、朝には朝の、夜には夜のメリット・デメリットがあり、一概にどちらがいいとは言えない、とのこと。たとえば、良くないとされている夜型の勉強には、「夜はやることの選択肢が少ないので集中しやすい」「寝る直前に勉強するということで、記憶が定着しやすい」というメリットがあり、朝型の勉強には「意思が強くないと続かない」「あまりやりすぎると仕事に支障が出る」といったデメリットがあります。
無理に朝型に変えようとせず、自分のスタイルでやるのが一番いい勉強法なのです。
■「一夜漬け」はコストパフォーマンスの高い勉強法
こと勉強では悪い意味でしか使われないのが「一夜漬け」です。
もちろん、資格試験は計画的にしっかりと準備をして臨む方がいいのは確かですが、だからといって「一夜漬け」をやらないのはあまりにももったいないこと。それだけ「一夜漬け」の学習効率には高いものがあるのです。
特に暗記に関しては、人の記憶が時間の経過とともに薄れていくものである以上、試験直前に詰め込めるだけ詰め込んだ方が、試験本番でその知識をキープしていられる可能性は高くなります。
また、試験前日の勉強ということで"焦り"が生みだす集中力も無視できないものがあります。
あくまで周到に準備をしたうえで、前日だけは暗記モノをとにかく詰め込む、というやり方を取ると効率的なのではないでしょうか。
■「毎日コツコツ続ける」が合格の近道とは限らない
勉強に限らず、日本では毎日コツコツ努力することが美徳とされています。しかし、「ちょっとずつでも毎日勉強しないと!」という考えに捉われて、勉強できなかった日は自己嫌悪に陥ってしまうようだと、それはそれで問題です。
目標はあくまで試験の合格であって、毎日勉強することではありません。
もちろん、休んでばかりでは前に進みませんが、かといって休みなしで毎日続けるのが一番いいとも言えないのが試験勉強のおもしろいところだと鈴木さんはいいます。
社会人である以上、勉強時間は仕事との兼ね合いもあります。毎日続けることにあまりこだわらず、「この日はがんばる!」「この日は思い切って休む」とメリハリをつけることが重要です。
本書には、実用性に富んだ大小さまざまな勉強のテクニックが取り上げられており、目指す試験の合格に大いに役立ってくれるはず。
がんばっているもののあまり成果が出ない、このまま勉強を続けて肝心の試験に合格できるか自信がないという人は、自分の勉強法に無駄がないか、もっと効率よく実力をつけることはできないかを確かめる意味でも、一読してみるといいかもしれません。
(新刊JP編集部)
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