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夢をかなえるのに才能は必要か?

 誰にでも大なり小なり夢や目標があるはず。
 しかし、それが大きかったり、難易度が高かったりするほど成果が出にくく、途中で挫折してしまったり、諦めてしまいたい気持ちになるものです。
 夢や目標を追う人を苦しめるのは「才能」という概念ではないでしょうか。夢をかなえた人ほど努力しているということをわかっていながらも、成果が出ないと「もしかしたら才能がないんじゃないか?」という考えが頭をもたげます。

 200万部を記録した大ベストセラー『夢をかなえるゾウ』の続編で、すでに33万部を突破している『夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神』(水野敬也/著、飛鳥新社/刊)の主人公・西野勤太郎もそんな人間の一人です。会社員を辞めてまでお笑い芸人を志すも鳴かず飛ばずのままもう34歳。
 「このままお笑いを続けていいのだろうか?」と、自分の才能を疑い始めた彼の前に、前作同様、ゾウの風貌をした神様「ガネーシャ」が現れます。
 神様なのに関西弁で、欲望に忠実でだらしないなど、前作で一世を風靡したガネーシャの珍妙なキャラクターは本書でも健在。
 彼らはコンビを組み、コントの一大イベント「ゴッド・オブ・コント」優勝を目指すのですが、その過程でガネーシャが勤太郎にかける言葉の数々は、目標や夢がある全ての人を励ましてくれます。

■「今の自分にとって、夢をかなえることは奇跡や思えるかもしれん。でもな、自分はもう奇跡を起こしてるんやで。そんでその奇跡はな、『成長する』ちゅうことをあきらめへんかぎり、何べんでも起こせるんや」(本書24ページ)

 人間は生まれた時は一人では何もできない無力な存在です。そこから歩けるようになり、言葉を覚え、様々なことを学習しながら大人になったということ自体が奇跡的な成長なのだというガネーシャのセリフです。
 人に頼らないと何もできない状態から、今の自分まで成長できたのですから、どんなに大きな目標でも真剣にうちこめば、それを達成できるだけの成長を遂げられるのかもしれませんね。

■「人間の悩みなんちゅうのはいつの時代も同じや。そんで本ちゅうのは、これまで地球で生きてきた何億、何十億ちゅう数の人間の悩みを解決するためにずっと昔から作られてきてんねんで。その『本』でも解決でけへん悩みちゅうのは何なん?自分の悩みは地球初の、新種の悩みなん?自分は悩みのガラパゴス諸島なん?」(本書60ページ)

 苦境に陥っている時、自分を客観視することは難しいものです。それゆえ、自分一人では解決できない問題の解決法を外に求める、というシンプルな答えに気づきにくいかもしれません。一人苦悩する主人公・謹太郎にガネーシャは『図書館に行く』という課題を出します。本の中には"先人の才能が生み出した結果"が詰まっています。それを咀嚼し、問題を解決していくことで、自分を一回り大きく成長させることができるのではないでしょうか。

■「最終的に成功する人間ちゅうのはな『僕には才能がない』ちゅう『不安』を持ってる人間なんや。そういう人らが、人の意見に耳を傾けて、試行錯誤していくことで最初の頃には想像もでけへんかったような成長を遂げるんや」(本書79ページ)

 自分に才能があることを疑わない人は、えてして他人の意見に耳をふさぎがちです。それではアイデアや創造物も独善的で他人の理解からどんどん離れて行ってしまいます。
 「自分には才能がない」と思えることも一つの才能なのです。その才能のおかげで、人の意見を素直に聞き入れることができ、それをもとにアイデアや作品を磨きあげていけるのですから。

 神様と人間がコンビを組んでお笑い界の頂点を目指すという物語のおもしろさの中に、夢をかなえるために必要なこと、幸せとは何か、といった教訓を取り込んだ本書は、「成し遂げたいこと」「なりたい自分像」を持つすべての人の味方となってくれるはず。
 努力しているのに結果がでない、やっていることが全てうまくいかない、という人は、諦める前に本書を読めば、再びチャレンジする勇気がもらえるかもしれません。
(新刊JP編集部)

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