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「明日のブルドッグ」 高橋三千綱著

  芥川賞作家が自費出版で文庫化とは驚いたが、それほど、愛犬をモデルにした、この物語に思い入れがあったのだろう。
 生後間もなく、作家「橋本」の家にやってきたブルドッグの「ブル太郎」。飼い主に愛嬌(あいきょう)をふりまくでもなく、唯我独尊、容貌魁偉(かいい)・・・。これまでの愛犬たちとは、ちょっと勝手が違う。ところが、元闘犬のDNAが騒いだのか、近所の幼い女の子に襲い掛かった大型犬をあっという間に蹴散らしたかと思えば、密猟者に散弾銃で撃たれたオオタカを優しく守ってあげたり・・・。次第に「おとこ気満点」の頼もしい存在なってゆく。
 ブル太郎と飼い主の家族やオオタカとの愛情あふれる交流に涙がこぼれる。挿入されているブル太郎の写真がまたいい。
 こんなハートフルで面白い物語の出版を断ってしまった編集者は目がなかった。

書名:明日のブルドッグ
著者:高橋三千綱
発行:文芸思潮文庫
定価:500円+税

夕刊フジ

産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。

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