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「『自分』の壁」 養老 孟司 著

  437万部を売り上げた『バカの壁』に始まる「壁」シリーズの最新刊。著者が幼稚園のころから考えていたという「自分」というテーマから話は縦横無尽に展開していく。その指摘は、意表をつくものばかりだ。
 たとえば著者は「自分探し」なんてムダだ、と言い切る。戦後、日本人は「自分」を重要視する傾向が強くなり、「個性」や「独創性」をもてはやすようになった。が、もともと日本人には向いていないからあちこちで無理が生じてしまった。生きる上で大切なのは、「自分探し」ではなく、他人について知ること。特に若い人にはそれが必要だという。他にも「選挙とは単なるおまじないである」「器用で要領のいい人は伸びない」など、ハッとさせられる文章が詰まっている。
 閉塞(へいそく)感を感じている人、頭の中が硬直化している人が読むと、新鮮な刺激によって脳がマッサージされるはず。

書名:「自分」の壁
著者:養老孟司
発行:新潮新書
定価:740円+税

夕刊フジ

産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。

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