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「カマラとアマラの丘」初野晴著

  動物が鍵となるミステリーは数多いが、本作ほど誠実に人間と動物(ペット)の関係を描いたミステリーはないだろう。舞台は秘密の動物霊園。動物の言葉を解する墓守の青年が、依頼人と動物の最期の言葉を手掛かりに真実を解き明かす。
 ゴールデンレトリバー、天才インコ・・・登場する動物の感情はリアルで切実。せつなく胸に突き刺さるミステリー。
 著者は元営業マン。デビューから10年間、兼業作家として執筆をし続け、着実に読者を増やしてきた。いま最も期待値の高い作家だ。あふれるうんちくと巧みな会話劇が読み手の知識欲を刺激する。
 予想を超えた結末が待っているのもミステリー作家の著者ならでは。動物好きの人には特にお薦めしたい。涙なくしては読めないだろう。


書名:カマラとアマラの丘
著者:初野晴
出版社:講談社
定価:1470円

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産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。

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