世の中に出される本の数だけ、未知なる世界がある。
紙のページをめくって進む、その旅の楽しみは、何ものにも代えがたく、
時に夜通し耽ってしまうこともあるだろう。
心に響くイラストレーション、精緻に流れるタイポグラフィ。
美しい装丁の本は、人をハッとさせるだけでなく、
その本を、一生手元に置いておきたい、パートナーにさえしてしまう。
だから、スマホやタブレットで読む行為が日常的になっても、
私たちは紙の本が好きだ。
いま美しい本をつくり出すデザイナーは誰か?
話題のあの本は、どのようにデザインされたのか?
この特集では、ブック・デザインのトレンドのほか、
名作の数々で本とデザインの歴史をひも解く。
知ればきっと、驚くはずだ。
デザイナーたちは、旅へ誘う魅力的な本をつくるために、
どれほど細心の注意を払い、
大胆なたくらみを、静かに仕掛けてきていることか。
本がますます好きになることを、この特集は約束しよう。
一緒に旅立ちたくなる本が世界にはこんなにたくさんある!
●最も刺激的な本を生み出す、話題の3組
・アヌーク・ボワロベール&ルイ・リゴー(パリ)~新世代ポップアップは、大人も魅了する。
・メタハーフェン(アムステルダム)~ネット時代にこそ生まれる、パワフルな本。
・ヨナス・フォーゲリ(チューリヒ)~ズームイン/アウトで、ダイナミックに。
●印象的なイラストが、目を釘づけに。
・ブレックスボレックス(ライプツィヒ)~絵と言葉のコンビネーションが生む物語。
・ピエタリ・ポスティ(バルセロナ)~児童文学の名作に、懐かしくて新しい絵を。
・フレデリック・ベルトラン(ナンシー)~洒脱なイラストが、魔法のように動き出す。
●伊坂幸太郎が語る、お気に入りの表紙とは?
●装丁の達人が、もっと本を楽しくする。
・クラフト・エヴィング商會~読者に近い立場から、本を立体的にデザイン
・名久井直子~読みたいと思わせる、小説の入り口をつくる。
・水戸部 功~装丁の“新しい基準”を築き、乗り越えたい。
●世界は村上春樹の本をどうデザインするのか?
●シリーズ本という“連続”に見る美しさ。
●ブック・デザインの歴史を、総ざらい!
●人気書評サイトHONZが選んだデザインよし!の面白い10冊。 ほか
【特別付録】森本千絵の書き下ろし絵本「カジュとガジョ 旅にでる」
【第2特集】ミラノ・サローネ 今年のグランプリはどれだ!?
誌名:Pen6/15号
発売日:2014/6/2
特別定価:680円(税込)