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「子どもを支配する親」から逃れるために必要な4つの境界線

  • 書名 『嫌いな親との離れ方』
  • 監修・編集・著者名川島崇照
  • 出版社名すばる舎

親といえど、一人の他人。
いい関係を築ける人もいれば、好きになれない人や、ソリが合わない人もいる。それは自然なことだ。

だが「親子は仲良くあるもの」「親を嫌うなんておかしい」などの一般論が子どもを苦しめる。明らかに子どもに依存し、子どもを支配下におこうとする親であっても、こうした「あるべき親子像」のおかげで、子どもは成人した後も、親の人間性に疑問を持ち、親と距離を置きたいと感じつつもそれができずに苦しんでいたりする。

■「親に感謝できないこと」は恥ずべきことではない

親と自分は別の人間。いくら親子でも自分は親ではないし、親は自分ではない。その意味では親子といえども、境界線は必要だ。親の価値観に合わせる必要はないし、無理をしてまで親に認められる必要も、本来はない。

私の元へ親子関係のカウンセリングに来られる方のなかには、大人になるまで親が抱える問題に気づかず、むしろ親から否定される自分が悪いと思ってきたという人がたくさんいます。(『嫌いな親との離れ方』より)

カウンセラーの川島崇照さんは著書『嫌いな親との離れ方』(すばる舎刊)の中で、親子関係に悩む人の多くが、自分と親の間に境界線を引けていない点を指摘している。この境界線が引けていないと、親との関わり方に悩んでも、「親に感謝できない自分がおかしいのではないか」「親と仲良くできないのは自分に問題があるのではないか」と、自己否定に走りやすい。

こうなると、自分と親の関係の本当の問題がどこにあるかわかりにくくなってしまう。また、自分の考えや価値観に自信が持てず、いつまでも親の考えや価値観に引きずられてしまう。

■親との付き合い方を変えるために必要な4つの「境界線」

では、親の影響下から出て自分の人生を生きるために、親との間にどのような境界線が必要なのだろうか。本書では4つの境界線を挙げている。

・「価値観」に境界線を引く
自分の価値観と親の価値観はそもそも違うもの。価値観が違えば、幸せの尺度も違い、生きたい人生も違う。幸せを感じられるのは自分の価値観に従った時だけ。

・「感情」に境界線を引く
親の感情は親自身が感じているもので、自分が感じさせたものではなない。親の怒りや悲しみに対して罪悪感を抱く必要はない。

・「責任」に境界線を引く
親には「子どもを養い育てる責任」がある。心が健康な親は、養育にかかるお金や時間、労力を、当たり前のように自分の責任だと考えるため、親孝行や恩返しを求めない。子供の方も、無理に親孝行をしようと思う必要はない。

・「過去の自分」「親の呪縛に縛られた人」に境界線を引く
「親に傷つけられた過去の自分」と「今の自分」は違うということを認識する。そして、思い出される記憶は今の自分にとって危険なものではないということを認識する。それによって親にまつわる記憶のフラッシュバックをやわらげることができる。

親に対して嫌なことを嫌だと言えなかったり、言いなりになってしまっているとしたら、それは親に自分の人生を奪われている状態だ。どんなに親が嫌でも、親が自分から変わることは望めない以上、自分が親との関わり方を変えるしかない。

それは簡単なことではないが、不可能なことでもない。本書は、そのための一歩を踏み出す人にとって大いに助けになるはずだ。

(新刊JP編集部)

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