仕事が忙しくていつも時間に追われている。
自分の自由な時間が足りない。
そんな生活から脱却するには、時間の使い方を見直すことだ。そこで身につけたいスキルが、時間管理術である。
『超多忙な弁護士が教える 時間を増やす思考法』(谷原誠著、フォレスト出版刊)では、21のエピソードを通じて谷原氏がたくさんの自由時間を作り出した時間管理の方法を紹介する。
誰にでも等しく与えられている1日24時間。
その時間の中で、私たちは、仕事や遊び、睡眠などのスケジュールを決めて行動している。ただ、時の流れにまかせているだけでは時間を浪費しやすくなってしまう。そこで、必要になるのが強制的に時間を「天引き」するという考え方だ。
具体的には1日は22時間、もしくは20時間と考えてスケジューリングすること。
天引きした2~4時間には絶対に予定を入れず、最初からないものとして、残りの時間でやりくりしていくのだ。お金で言えば、「天引き貯金法」である。
1日2時間は1年365日で730時間。4時間ならば1460時間。この時間を自由に使えばいいのだ。谷原氏は、この天引き時間で、執筆などの仕事周辺の作業をしているという。
また、時間管理というと「いかに自分の時間を効率的に使うか」に意識が向きがちになる。しかし、まずは「自分の時間をどこに使うのか」を決めなければならない。この際に必要となるのが「人生で何を優先するのか」という人生における優先順位だ。自分の優先順位がしっかり確立されていないと、そのときの感情に流されて、優先すべきでないことを選択してしまう。結果として、時間の使い方はうまくいかない。
優先順位を確立するには、自分が大切にしている価値観を知ることが重要。すべての価値を優先することはできない。なぜなら時間が絶対的に足りないからだ。なので、「お金を稼ぐ」「家族との時間を大切にする」など、自分の人生で何が大切なのかを紙に書き出していくと、自分の価値観がわかる。 時間を効率的に使う方法を考える前に、まずは人生における優先順位を確立することが大切なのだ。
谷原氏は25歳で弁護士となり、20代の頃は法律事務所に寝袋を持ち込み、睡眠時間4時間の生活を送っていたという。けれど、現在は法律事務所の代表パートナーであり、若い頃と比べて仕事量が増えているにもかかわらず、自宅で7時間睡眠をとり、そのうえで1年間で1400時間もの自由な時間をつくり出している。
時間管理の概念は「自分の人生で何に重きを置き、そのほかのことをいかにあきらめていくか」だ。本書を参考に、自由な時間をつくり出してはどうだろう。もっと充実した毎日を送ることができるはずだ。
(T・N/新刊JP編集部)
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