進学や就職で家から独り立ちしていく子に、親はどんな気持ちを抱いていて、どんなことを伝えたいのか。
『巣立っていく君へ 母から息子への50の手紙』(青春出版社刊)の著者である若松亜紀さんも家を出ていく息子に母として伝えておきたいことがたくさんあるという。
18年間一緒に暮らしていたのだから、どこかで伝えられるはず...。そう思っていたら、息子は反抗期やスマホに夢中で居間から姿を消し、結局ちゃんと伝えられず。それに気づき「言えないなら、いっちょ書くか」と、息子に向けて母の想いを綴ったのが本書だ。
では、若松さんは息子にどんなことを伝えたいと思っているのか。本書から紹介しよう。
夢や目標を叶えたい。それには「しないこと」より「すること」を決めると、何をしたらいいかがはっきりと見えてくる。
たとえば、ダイエットも「ケーキを食べない」の「しない系」は失敗しやすく、「食べたくなったら歯磨きする」の「する系」が成功しやすい。「すること」を決めることで、夢に向けて歩き出せるのだ。
仕事でもプライベートでも、誰かと仲良くなるためには雑談は欠かせない。その際に大事なのは、女子には女子の好む型があり、男子には男子が好む型があるということだと述べる。
女子トークで重要なのは、協調・共感・一体感。そして、女子との会話のオキテは3つ
1.「いいね」「そうだね」「かわいいね」と共感
2.8割聞いて、2割しゃべる
3.意見は求められたときにサラッと
共感しながら8割聞いてれば、女子から「あなたと話すと楽しい」と言われるもの。問題を解決しようとしたり、反対意見をわざわざ言ってはいけない。
ネットやテレビでさまざまな情報が手に入り、行った気、やった気、わかった気になってしまうもの。そんな2次元ではなく、3次元の世界で生きてほしい、というのが若松さんの願い。外に出て、人と自然に向き合う。自分の目で見て、耳で聞いて、においを嗅いで、舌・肌で感じる。
言葉に力がある人の共通点は、体験したことで自分の言葉で語れること。ひとり画面に向き合うのではなく、外に出て体験することが大事だと伝えている。
親は成長していく子にどんな願いや気持ちを抱いているのか。これから新しい生活を送る若い世代に読んでもらいたい一冊だ。そして、本書をきっかけに自分自身の親といろいろ話してみてはどうだろう。
(T・N/新刊JP編集部)
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