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コロナ禍で苦境のセラピスト業界。今、セラピストやサロン経営者たちは何をすべきか

  • 書名 成功する「セラピスト」ビジネスの教科書
  • 監修・編集・著者名鈴木幸代
  • 出版社名セルバ出版

人の心や体の回復や改善を図るセラピストが、ビジネスとして成功するために必要なことは何か。
それは、セラピーの技術だけではなく、経営者としてのビジネススキルやノウハウ、そしてセラピストとしてのマインドだと述べるのが、一般社団法人日本プロセラピスト協会(JPTA)代表理事の鈴木幸代さんだ。

今回は上梓したばかりの『成功する「セラピスト」ビジネスの教科書』(セルバ出版刊)について鈴木さんにお話をうかがい、セラピストがビジネスで成功を得るにはどうすればいいかを聞いた。コロナ禍にある今、苦境に立たされているセラピストが多い中で、何をすべきなのか。

(新刊JP編集部)

■コロナ禍で苦境に立たされるセラピスト業界 今必要なことは?

――『成功する「セラピスト」ビジネスの教科書』について伺えればと思います。まず、鈴木さんが代表理事を務める一般社団法人日本プロセラピスト協会の活動内容について教えてください。

鈴木:日本プロセラピスト協会では、プロセラピストとしてご活躍していただくためのビジネススキルやノウハウ、ビジネスマインドが勉強できるプログラムを、セラピスト向けに全国展開しています。

また、もう一つ事業がありまして、メンタリングマナーという人材育成とビジネスマナーを融合した研修を企業向けに提供しています。この2本を柱にして、2013年に設立登記をし、2014年から活動を本格的にスタートしました。

――様々なセラピーがあり、非常に当てはまる範囲が大きいと思うのですが、「セラピスト」の定義をどのようにしていらっしゃいますか?

鈴木:おっしゃる通り、範囲はとても広いと思っています。療法家と呼ばれる方々がすべて当てはまるので、例えば医者であったり、理学療法士、言語聴覚士といった方もセラピストに含まれます。また、整体師、エステティシャン、カラーセラピスト、アロマセラピストといった方もセラピストです。

では、「療法家」をどう定義するかというと、医療に限らず、お客様の心や体を健康に導く人たち。心身を回復、維持、増進する理論や技術を用いて、お客様の健康な状態をつくりあげていく人たちのことを指します。

「療法」と聞くと少し難しいイメージを持たれるかもしれませんが、協会では、クライアントが元気になる、笑顔になるお仕事をされている方を全般的にセラピストと呼んでいます。だから、「セラピー」という言葉がつかない仕事の方も、お客様を元気にしたり、笑顔にしたり、一歩を踏み出す力を持っていただいたりという形で、お客様に寄り添っている方を「セラピスト」と呼んでいます。

――『成功する「セラピスト」ビジネスの教科書』はそうしたセラピストの方々に対して、ビジネススキルやノウハウを教える一冊です。執筆された経緯についてお聞かせください。

鈴木:もともと私はカラースクールを経営していまして、そこでカラーセラピストやパーソナルカラーアナリスト、カラーコーディネーターの育成や企業研修、コンサルティングを行っていました。

その中で気づいたことがあります。資格を取られても、それをなかなか役立てていないという方が多かったんです。そこで、日本プロセラピスト協会を立ち上げました。

資格を活かすためには、技術以外のビジネス面も含めた勉強が必要であって、その部分をもっと広く伝えられないか課題を感じていたんです。
だから、セラピストビジネスの教科書的に読んでもらえればと思って、この本を執筆させていただきました。本だと復習もできますし、勉強する時間に融通が利きますからね。これからセラピストとして仕事をしていく中で、何が必要なのかを学ぶ手助けになればと思っています。

――本書にも書かれていましたが、コロナ禍で苦境にあるセラピストも多いと思います。

鈴木:そうですね。お客様と対面で施術やカウンセリングなどをすることが多い仕事ですから、とても影響はあると思います。特にエステティシャンや整体師はお客様のお身体を触って健康に導く施術をします。店舗に来ていただく形でも、出張で行う形でも、セラピスト、お客様いずれかの移動が伴うので、不安に思う方も多いですよね。

――その一方で、コロナ禍のストレスから心身を病んでいる方も増えているという印象です。セラピストのニーズはすごく高まっているとも思います。

鈴木:そうだと思います。ただ、心身の健康を崩れていると感じている方々が、こういうセラピストがいるということをまだ認識されていないところもあるのかなと。

お客様は施術所やサロンなどの店舗があればそこにいけばいいですけど、自宅開業や出張セラピーなどはどのようにアクセスしていいのか分からない状況があると思います。そのマッチングが上手くできていない印象ですね。

――その意味でも本書で書かれている情報の発信方法を知ることが大切ですね。

鈴木:そうだと思います。ただ、闇雲に情報を発信すればいいというわけではなくて、自分が持っているセラピストとしてのマインド、心のあり方と、自分の技術を必要としているお客様にしっかり届けられるかが大事です。SNSやホームページ、パンフレットなど、発信手段はありますが、そこをちゃんと伝えられないと、お客様は自分にとって必要な場所かどうかはわからないですからね。

――なるほど。それに、本書でSNSでは正しい情報を精査し、発信することが大事とありましたが、これはとても大事なことだと思います。

鈴木:そうですね。SNSの情報発信は避けては通れないものだと思いますが、その一方で発信の仕方が分からない、インターネットの知識に疎い方もいます。また、たくさんの方に告知をすることに対して怖さを抱いている方もいます。

ルールや勝手を理解していないまま、問題となる発言を発信してしまうと、お客様との信頼関係も構築できないと思うので、ちゃんと理解した上で発信をしてほしいなと思って本の中で書かせていただきました。

(後編に続く)

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