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「入社して3年間は、どんなことにも『はい』と答える」仕事論とは?

  • 書名 園部 貴弘
  • 監修・編集・著者名東洋経済新報社

この冬が終わると、すぐに入社式の時期になる。

社会に出ると、理不尽なことや学生時代の常識が通用しないことが多々起こる。
嫌になったりやるべきことを投げ出したくもなるが、そこはぐっと我慢。とにかく「入社して3年間は、どんなことにも『はい』と答える」こと。

『会社に入ったら三年間は「はい」と答えなさい』(園部貴弘著、東洋経済新報社刊)はこんなアドバイスとともに、普通の人が、普通の会社で、普通よりちょっと頑張って、普通よりちょっといい収入を得て、普通よりちょっと幸せになるための方法を紹介する。

■「入社して3年間は、どんなことを言われても『はい』と答えなさい」その理由は

冒頭の「入社して3年間は、どんなことを言われても『はい』と答えなさい」という、理不尽に感じるこの言葉。これは著者の園部氏が社会人になるときに京都で料理屋を営む父親から言われたものだという。

仕事には我慢を重ね、言われたことは有無を言わずに、とにかくやり抜く一定の期間が必要だという考えからだ。社会人になって基礎を築く最初の3年間で学生のルールと常識を捨て、社会人のルールと常識を身につけることで、社会人としていいスタートを切ることができる、としている。

これは「すし職人の下積み修行は無駄」に代表される現代の価値観には合わないものだろう。

ただ、物事の「型」は案外重要だし、社会人になりたてで知識が乏しい状態では、先輩や上司からの支持の内容が無駄なものなのか大事なものなのかは、そもそも区別がつかない。

なんでも受け入れて、素直に従っていくうちに「この作業にはこういう意味がある」「これはこういう理由で必要なことなんだ」というのがわかっていく。世の中に無駄な下積みが多く残っているのは確かだが、下積みがすべて無駄かというと、そうではない。

やみくもに動き回るより、とりあえず指示に従った方が遠回りせずに、より早く仕事ができるようになる。
そのためにも、学生時代の常識と社会の常識は違うことを認識し、素直な心を持って、社会に出ることが大切になるのだろう。

もう一つ、社会人になりたての3年間ですべきことは、寄り道だと著者。
効率よく進むことも大事だが、それでは周りに目が向かず、得られないものもある。そうすると、知識や自分の情報アンテナに広がりがなくなってしまう。寄り道をすることで新しい発見をすることができるのだ。
ただし、寄り道をするのは社会人3年目まで。それからは、効率も意識しなければいけない。仕事年数や立場によって、求められる能力や学びは違うということだ。

 ◇

サラリーマンとして、自分の身の丈に合った働き方ができて、ちょっと上も目指したい。
そんな普通のサラリーマンが仕事のやりがいや自分の幸せをつかむためにも、本書の考え方は参考になるかもしれない。

(T・N/新刊JP編集部)

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