現行の大学入試センター試験が来年度で終了。小学校の授業では英語に加えてプログラミング教育が取り入れられるなど、日本の「学び」や「教育」は大きな過渡期にある。我が子にどんな学習を、どのようにさせるのがいいのかわからないというのは今の親の共通の悩みだろう。
一方で、人間の脳の仕組みは変わらない。学習内容や入試制度が変わっても物事を習得する仕組みは不変のものだ。その意味では、入試その他のテストで高得点を取れるよう、学ぶべきことを効率的に身に着けるための方法論を知っておくことは、教育改革への一つの備えだろう。
では一体どのような学び方が効果的なのだろうか?
脳の仕組みの解明や学習法の研究は日々進歩しているもの。それだけに最新の研究で効果的とわかった勉強法には、親の世代は知らなかったことや、教わってきたやり方と違うこともあるかもしれない。
たとえば復習はその一つだろう。
「勉強したことはその日のうちに復習」が効果的な勉強法だと信じられているが、必ずしもそれは正しいとは言えないようだ。
『進化する勉強法:漢字学習から算数、英語、プログラミングまで』(竹内龍人著、誠文堂新光社刊)によると、今日学んだことについて明日テストがあるのであれば復習をすぐにやるのは効果的だが、テストまで時間があるケースでは、このやり方はいい方法ではない。
アメリカの研究グループが「歴史的な事実を覚える学習(全32問)」で行った実験の結果によると「学習から復習までの期間」と「復習からテストまでの期間」をおおむね1:4とするのが、テストの点がもっとも高くなるベストな復習のタイミングだという。つまり今日の学習内容についてのテストが一か月後(30日後)にあるならば、学習から6日後に復習するのがもっともテストの結果がいいことになる。
このように学習から一定の時間をおいてから復習することを分散学習という。
では、「一年後の大学入試のための学習」のように、テストまでの時間が長く、何度も復習する機会がある場合は、どのタイミングで復習をすればいいだろうか。
これまで一般的だったのは、「理解や記憶が曖昧な時は頻繁に復習し、理解度が高まってきたら復習の間隔をあける」というやり方。これだと、徐々に復習の間隔が延びていく。
しかし2007年に単語を覚える学習で行った実験では、徐々に復習の間隔をあける学習法よりも、等間隔で復習をする方法の方が長い時間覚えていられるという結論が出たという。
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『進化する勉強法:漢字学習から算数、英語、プログラミングまで』では、最新の研究結果から、効果的とわかった勉強法を解説していく。
ここでは「復習」をテーマにしたが、「答え合わせ」にも「学習する順番」にも「学習する量」にも、テストの点数を最大化する秘訣がある。入試だけでなく資格試験や語学試験などにも使えるため、子どもだけでなく大人も、自身の努力を結果に結びつけるために活用してみてはいかがだろう。
(新刊JP編集部)
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