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「お金は宇宙銀行に」スピリチュアルカウンセラーの名言・迷言

  • 書名 『気になるスピリチュアルカウンセラー 全部かかってみました!』
  • 監修・編集・著者名さくら真理子
  • 出版社名すばる舎
人間、心が弱っていると何かにすがりたくなるもので、普段は見向きもしない占いに手を出したり、家に神棚を飾ったり、お札を買ったりと、神様、仏様、宇宙の法則、前世、霊視などなど、とかく人智を超えた何かに目がいきがちだ。

なかでも近年人気なのが、「スピリチュアルカウンセリング」である。相談者が発するエネルギーを読み取ることで現状を言い当てるだけでなく、未来へのアドバイスをするという、一種の占いなのだが、注目が集まれば集まるほど「本物」も「偽物」も入り乱れてしまうのは世の常。怪しげなカウンセラーも少なくないようだ。

■「あなたのお金はすでに宇宙銀行にあります」


ライターのさくら真理子さんは、人生に迷った末にスピリチュアルカウンセリングにハマり、収入はおろか老後貯金までもすべてつぎ込んでしまった(その額、実に1千万円!)人物。

自分を救ってくれるアドバイスを求めてさまよい歩くなかで様々なカウンセラーに騙され、惑わされた顛末や、アドバイスされた名言・迷言を『気になるスピリチュアルカウンセラー 全部かかってみました!』(すばる舎刊)にまとめている。

経済的に苦しい時期が長かったというさくらさん。貧乏を脱出するために、なけなしのお金をはたいて、よく当たると評判のスピリチュアルカウンセラーのもとを訪ねたところ、かけられた言葉は「あなたのお金はすでに宇宙銀行にあります。お金をたくさん持っているので、安心してください」というもの。

思わず「鑑定料返せ!」と怒鳴りそうになったさくらさんに、そのカウンセラーは「宇宙銀行」について「24時間いつでもお金を引き出せる預金口座」「意識をつかってアクセスするだけでいつでも必要なお金が引き出せる」などと説明。

これだけを見るとただのうさんくさいカウンセラーだが、話の続きがある。
この件をきっかけに、お金への意識を見直したというさくらさん。「自分にもお金持ちになる権利がある」と考えるように心がけると、次第にお金の運気が変わり始めた。細々とやっていた外貨預金が一年足らずで20万円もの利益を出したのは「宇宙銀行からの現金振り込み」だとしている。

■「地震予言は人に広めることで外れます」


さくらさんが知り合ったスピリチュアルカウンセラーの中に、「『東日本大震災』の次には『南海トラフ大地震』がくる」と予言する人物がいるそう。

日付までを予言するカウンセラーだが、その予言というのがさっぱり当たらない。そのことを指摘するとひとこと。「地震予言は他の人に広めることで外れるんです。僕が事前に予知したおかげで地震は回避できたんですよ!」

予言は多くの人が知れば知るほど、現実に起こる確率が下がる、というのがその言い分。幸か不幸か、真理かただの屁理屈かを確かめる術はないのである。

■「友達を作りたければ、フットサルをしなさい」


あまりに友達が少ないことに悩んださくらさんが、占星術と四柱推命を組み合わせたオリジナルなカウンセリングをすると評判のカウンセラーのもとを訪れたところ、「友達を作りたければ、フットサルをしなさい」とアドバイスをされたそう。

その根拠は、さくらさんの星回りはスポーツが苦手で、その苦手なことにチャレンジするのが友達作りに必要、というもの。

確かにスポーツが苦手で、特に球技がダメだというさくらさんだが、なぜ数ある球技の中でフットサルをしろと言われたのかは不明とのこと。しかし、スポーツをすれば友達ができる、という程度のアドバイスなら占星術と四柱推命を知らない人でもできそうだが...。



今では"本物"のスピリチュアルカウンセラーに出会い、自信を持って生きられるようになったというさくらさんだが、有象無象がひしめくなかで、深い悩みを抱えた人がその"本物"を見極めるのはなかなか難しいものかもしれない。

本書では、さくらさんの実体験をもとに、スピリチュアルとは何か、どう付き合っていけば、どう相談をすればいいか、言ってはいけないことは何かなど、この世界のイロハを解説している。スピリチュアルカウンセリングに興味があるなら、最適な入口になるはずだ。
(新刊JP編集部)

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