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話題のスープダイエット、本当に痩せる? 30代記者が実体験(終) 72.1kgから何kg痩せたのか!?

 かつて誰かが言った。ダイエットは「やる」か「やらないか」だと。自分に課したルールをしっかりこなせば痩せるし、こなさなければ痩せない。ダイエットを成功させるには、実行あるのみだ。

3月中旬にニューヨークを旅し、歩きまくって2キロ痩せて帰ってきたもの、その後の油まみれの堕落した食生活から3キロリバウンドし、自身過去最高の72.1kgをマークした新刊JP編集部・カナイ(男性・33歳、独身、一人暮らし)。

最近の彼に自炊の「自」の文字はなく、1週間にラーメンは4食、他に蕎麦やコンビニ弁当、ファミリーレストランのテイクアウトを駆使し、深夜1時のドカ食いによって順調に「私腹を肥やして」いったわけだ。

これが我らのリーダーだと思うと情けなくなる。

 

以前から彼をダイエットさせるという話はあったが、なかなか話は進まずにいた。そんな中で、新刊JPの健康オタクにしてダイエット情報オタクの私、割井洋太が、本屋で見つけた一冊の本『最強ボーンブロス食事術』(集英社刊)を差し出してみた。

割井「先月ニューヨーク行ったばかりのカナイさんにこれあげます」

カナイ「なにこれ。ボーンブロス?」

 

こいつは本当にニューヨークに行って来たのだろうか? というのも、この本はニューヨークでベストセラーの一冊であり、アメリカの医師であるケリアン・ペトルッチ氏が執筆した“Dr. Kellyann's Bone Broth Diet”の翻訳本なのだ。

近年、ニューヨークで「ボーンブロス」という鶏や魚の骨を煮込んだスープを中心に据えて食生活の改善を実践するダイエットが流行しており、ボーンブロス専門のスープスタンドもあるという。

この本で推奨されるダイエットルールは多岐にわたるが、簡潔にまとめると、ボーンブロス+糖質制限+断食という組み合わせだ。今回は本書に則り、以下のようなルールを定めた。

・期間は4月27日~5月17日の3週間
・ボーンブロスを日々飲む食生活に変える
・食べてもOKの食品を食べる。野菜、たんぱく質、脂質、果物が中心となる
・炭水化物は抜く
・アルコールを摂取してはいけない
・1週間に2日はプチ断食をして、その日はボーンブロスのみで過ごす

そして、体重測定の結果は次のようなものに。

身長:171.5cm
体重:72.1kg
二の腕:26cm
バスト:92.5cm
ウエスト:92.5cm
ヒップ:99cm
太もも:50cm
BMI値:24.5

体重は想像できたが、ウエスト、ヒップの太さはなんともメタボである。写真を見ても、小太りメタボの哀愁が寒々しい。この数字から目標をBMIが22となる「64.7kg」に設定し、3週間の彼の怒涛の日々がはじまった。

なお、彼自身のレポートは「ボーンブロス・ダイエットに挑戦」にまとめられているので是非それを読んでほしい。

 

なお、このダイエットにおいて、著者はなるべく体重計に乗らないようにしてほしいとつづっており、私たちもそれに賛同。5月8日の中間測定日以外に体重計を使わないようにした。そして中間測定の結果がこちら。

身長:171.5cm
体重:66.9kg(-5.2kg)
二の腕:25.6cm(-0.4cm)
バスト:91.6cm(-0.9cm)
ウエスト:81.6cm(-10.9cm)
ヒップ:93cm(-6cm)
太もも:55cm(+5cm)
BMI値:22.75

なんと10日強でマイナス5.2kgを達成。ウエストはまさかのマイナス10cmである。一気に贅肉が落ちたという感じだ。しかし、彼は糖質制限に付きまとうあの苦しみと闘っていた。

カナイ「ダメだ、原稿書いていても全然頭がまわらん…」

割井「大丈夫ですか」

カナイ「すぐにガソリンが切れる感覚なんだよね」

割井「この本にもそれ書いてありますね。慣れるまでが辛抱と」

カナイ「これは途中でやめたくもなるよ」

弱音を吐くカナイ。本当に頭がまわっていないのは書く原稿を見ても分かる。文章が揺れ動いているし、誤字も多い。大丈夫だろうか、やめさせたほうがいいのでは、と編集部メンバーの間でも賛否が分かれる。

しかし、彼はそこから持ち直した。ボーンブロス中心に食生活に慣れ、完全に体を生まれ変わらせたのだ。

ぬかりなくボーンブロスを飲み、5月17日の測定日に向けて痩せ続けるカナイ。「企画としての面白さが…」などと思い、彼をラーメンに誘ったが、首を縦にはふらなかった。なんと意志の固い…。

また、彼の場合、ダイエットに特有の肌荒れといったものがまったく起こらない。これはボーンブロスの恩恵なのだろうか? すこぶる好調で、健康的なキレイささえ感じる。

飲み会やイベントごとを乗り越えて、5月17日、その日はやってきた。

割井「今のお気持ちは?」

カナイ「最善を尽くしました。あとは天命を待つのみです」

体重計に乗るカナイ。間違いなく痩せた。

 

おおっ!?

 

なんと!!

それはまさかの結果だった。

身長:171.5cm
体重:72.1kg → 66.9kg → 64.3kg(-7.8kg)
二の腕:26cm → 25.6cm → 25cm(-1cm)
バスト:92.5cm → 91.6cm → 90cm(-1.5cm)
ウエスト:92.5cm → 81.6cm →76cm(-16.5cm)
ヒップ:99cm → 93cm → 91cm(-8cm)
太もも:50cm →55cm → 49cm(-1cm)
BMI値:24.5 → 22.75 → 21.86

 

割井「すごいですね…ダイエット成功ですよ」

カナイ「なんなんだよ、もっと喜んでくれよ」

割井「いや、成功するとは思わなかったから」

カナイ「元から運動する習慣はあったし、駅伝大会が近いから有酸素運動をけっこうやっていたし、あとはやっぱり食生活だよね。糖質摂れないのは苦しいけど、ほとんど自炊だったから量のコントロールもできたし」

割井「実際にやって良かったことと、やってみてきつかったのはその2つですか?」

カナイ「他にもたくさんあるよ。栄養素にちゃんと目を向けるようになったし、自己管理をちゃんとしようと思った。あと周囲の人たちが優しくて、炭水化物食べましょうと言ってきたのは割井だけだよ」

 

割井「・・・」

カナイ「きつかったことはすぐ頭がまわらなくなるのと、周囲に気を使わせていると感じること。だから成功できたのは皆のおかげ。あと、本にも書いてあったけど、失敗してもいいくらいの気持ちじゃないときついと思う。僕は3週間で終わらせたいから無理をした感覚が強いけど、もし、やっていて『これは無理!』と思ったらそのストレスを解消したほうがいいと思ったな。料理面でいえば、ボーンブロス作りは意外と大変だった。だから途中から粉末のものを使うようにしたよ」

割井「でも、カナイさんが薄くなりすぎてビックリしてますよ。かいわれ大根みたい。あとはリバウンド防止ですね」

カナイ「リバウンド防止については、今までの食生活を8割続けて、残り2割は自分で食べるものを決められる『8割プラン』というのがあるみたいだけど、それを実践するかどうかは分からないなあ」

彼の言葉にこれほど説得力を感じたのはいつ以来だったか。
最後に少しずつ糖質を摂取している彼に、私は聞いた。

割井「今、何が食べたいですか?」

カナイ「ラーメンかうどん。あとお酒が飲みたい」

この男、またすぐにメタボになるだろう。そう感じた5月17日の夜だった。

何はともあれ、ダイエットは成功した。カナイの努力は素直に褒め称えなければいけないが、その一方で「ボーンブロス+糖質制限+断食」の即効性もうかがえた。

もちろん、これはカナイが運動や食生活の改善と組み合わせて出した結果であり、個人によって変わってくる。それだけは覚えておいてほしい。

==「ボーンブロス・ダイエット」完==

(新刊JP編集部・割井洋太)

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