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世界最古の自己啓発?聖書を成功法則本として読むと……

 全世界で最も読まれている本は聖書だ、という話を聞いたことがある人は多いはず。

確かに世界中のキリスト教徒(あるいは他の宗教徒)が読んでいるわけですから、その部数たるや想像を絶するものがあります。そして、聖書が幾千年も読み継がれてきたのは、単なる「宗教書」ではない何かを備えているからかもしれません。

『(文庫)聖書に隠された成功法則』(松島修著、サンマーク出版刊)は、聖書を「宗教書」ではなく「成功法則本」として再解釈した一冊。その言葉から、私たちが人生で成功を収めるために必要な考え方や生き方を提示します。

■まずは「自己実現」という考えを捨てる
成功だと思える人生を目指して、「なりたい自分」「夢見る自分」を現実にするために努力を重ねることは、基本的にはいいことだとされています。しかし、やはり本当に自己実現できる人はごく一握り、という現実も。

著者の松島さんは、この理由として「自己実現」という考え方の問題点を挙げています。

「自己実現」の基本にあるのは、「今の私は、まだ自分が望むステイタスに達していないから、そこに辿り着くためにがんばろう」という考え方です。

これは、言いかえれば「そもそものセルフイメージが低い」ということでもあります。そのため、自分の考える成功に向かって行動を始めても、潜在的なところでモチベーションが続かないことが多くなってしまうと松島さんは言います。

成功したければ、まずは「自己実現」という考え方は捨てるべき。これが、聖書が示す成功法則の大前提なのです。

■「聖書」が示す3つの真理とは
では、聖書が語るセルフイメージとはどのようなものなのでしょうか。たとえば、「創世記」にはこんな文章が書かれています。

・人は、それぞれ目的を持って神に創造された。  
・人は、神に似せて創られた最高傑作である。  
・人は、神から愛されている。(「創世記」1.26他)  

つまり「あなたはもともと最高のステイタスとして創造された」というのが、聖書のスタンスです。

本当に成功する人というのは、セルフイメージが高く、いつでも自信に満ちているもの。そんな人になるためには、上で挙げた3つの真理を心にとめておくといいかもしれません。

■「何をするかを決めるのは自分ではなく神」が聖書流
「自己実現」は、「理想の自分を実現すること」ですから、目標もゴールも、決めるのは自分です。これに対して聖書の考え方は「人の役割は神が与えるもの」というもの。そこに人間の意思が入り込む余地はありません。

しかし、「もし自分の役割がつまらなかったらどうしよう」などと心配する必要はありません。とにかく、自分がワクワクする方向に進むこと。松島さんは、それが、神がその人に与えた役割に沿って生きる方法だとしています。

しかし、主を待ち望む者は新しく力を得、鷲のように翼をかって上ることができる。走ってもたゆまず、歩いても疲れない。(イザヤ40.31)

このイザヤの一節のように、心からワクワクできることをやり続ければ、自然に道は開けます。お金が欲しいからといって安易なお金儲けに走ったり、社長という肩書に憧れて社長を目指すのではなく、自分の心に忠実に。それこそが聖書が示す成功法則なのです。

いかがでしたか?

聖書に馴染みのない人からすると違和感のある考え方かもしれませんが、聖書には古くから多くの人の人生に影響を与えてきた実績があります。

本書では、このほかにも聖書の教えからいかに生き方を学ぶか、という点についてさらなる解説がされていますので、自分の一生について真剣に考えてみたいという人、何かに行き詰まってモヤモヤしているという人は、参考にしてみてはいかがでしょうか。

(新刊JP編集部)

『(文庫)聖書に隠された成功法則』(サンマーク出版刊)

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