子どもの頃から読書感想文や作文を書くのが苦手だった。大学生、社会人になった現在も、文章を書くのが苦手という人は少なくないのではないだろうか。
とはいえ、作文、就活のエントリーシート、企画書、リポート、ブログ記事など、学生、社会人に関わらず、文章を書く機会は多い。読み手にわかりやすく伝える文章を書くにはどうしたらいいのか。
『必ず書ける「3つが基本」の文章術』(近藤勝重/著、幻冬舎/刊)では、長年、新聞や雑誌上でコラムを執筆してきた近藤勝重氏が見出した文章術を紹介している。
文章を書く上で大切なことは、伝わるように書くこと。何より描写力が問われる。もう1つは、どう組み立てるか。どう文章を構成するかだ。文章は、「何を書くか」「どう書くか」「どう構成するか」の3つが基本となる。
ここでは、1つ目の「何を書くか」について説明する。
文章は骨格に肉付けし、あれこれ装ったものだ。なので、大長編も粗筋を追い、贅肉を取って縮めていけば、手短に数項目にまとめられる。ならば、一般的な作文もいくつかの項目に納められるということだ。
文章を書く前に、「初め(導入)」「中(展開)」「終わり(終結)」の骨格に分けてメモ化することで、書くべき内容の趣旨やイメージが鮮明になるという。あとはこれに沿って書いていけばよくなり、時間の短縮にもなるのだ。特に限られた時間で書かなければならない場合は、骨格メモを書いてから文章を書けば、まとまりのある文章を時間内で書けるようになるはずだと著者は述べる。
メモを書くときのコツは、思いつくことなどがあれば、どんどん書き加えていくこと。何気なく書き留めたメモが文章を補ってくれたり、メモ同士がたがいに作用して面白いことがさらに浮かんでくることもある。メモは、書くべき内容の材料を集め、整理する中心的な作業となるのだ。
文章の構成のほかに、読みやすい文章であるかというのも大切なことである。パソコンで原稿を書くと、平仮名でいいものまで漢字に変換出来てしまう。「然し」「但し」「且つ」「又」「殆ど」「筈」「事」「訳」「為」など、平仮名のほうが読みやすい。それに漢字が多いと、文章が重々しく感じられる。
何をどう書くか。伝わる文章を書くには、まずは文章を作る上で基本の手順となるメモを書くこと。今まで、いきなり書き始めていたという人は、骨格メモを書くところから始めると、もっと伝わりやすい文章が書けるようになるはずだ。
(新刊JP編集部)
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