上司にとって、若手社員や新卒社員を一人前の戦力として育てることは重要な仕事の一つ。もしかしたら最もプライオリティーが高いことかもしれません。
ところが、そう簡単にいかないのが人材育成です。プレーヤーとしては優秀な成績を上げられても、部下の指導となるとうまくいかず、最悪の場合会社を辞められてしまうということもあります。
部下側の立場からすれば、上司は絶対的な存在であり、そして最も身近な存在。だからこそ、上司は彼らをうまくマネジメントする必要があるのです。
『ムチャぶりで人を育てる23のコツ』(藤咲徳朗/著、セルバ出版/刊)は人材育成の専門家である藤咲氏が執筆した、上司としての“教科書”のような一冊。上司としてどのように振る舞うべきか、部下と接するべきかが述べられています。
今回は本書を参考に、部下が「一緒に仕事をしたくない」と思う上司の特徴を3つご紹介しましょう。
■部下の悪い部分を受け入れない上司
できないことが多い新卒社員や、いつまでもネガティブに考える若手社員は、上司にとって「なんでそうなるんだ」とイラつかせる存在。どうしても当たりが強くなってしまいがちです。
しかし、できないことを一番悩み、苦しんでいるのは部下であるはずですから、ここは上司が部下を受け入れないといけません。その上で、彼らが持っている能力を活かせる場所を与えるのです。悩んでいるところに上司から厳しい一言があると、部下は逃げ場がなくなってしまいます。
特に「それじゃダメだね」「何でこの程度のことしか」という存在の否定につながる言葉を平気で使う上司についていきたくはないですよね?
■いつも怒っていて、笑顔を見せない上司
笑顔はビジネスにおいて大切なものです。笑顔の多い職場はみんな活き活きとしています。逆に誰かが怒ったり、不満がっていたりすると、雰囲気は悪くなります。
もし部下から見て、いつも上司が怒っていたらどう思うでしょうか。萎縮するのは当然ですし、コミュニケーションが円滑にいくことはまずないでしょう。働くことも嫌になってきます。
笑顔の効果は、伝染するということ。上司の皆さんは、いつも笑顔でいますか?
■「ありがとう」が言えない上司
感謝の気持ちをあらわす「ありがとう」という言葉は、言う方も言われる方も気持ちがよくなります。
ところが、この「ありがとう」がない職場はたくさんあるのだとか。
本書には、上司が言ってくれる「ありがとう」の言葉がうれしくて、仕事をがんばる気持ちになったという部下のエピソードが紹介されています。さらに「助かった! 本当にありがとう」と言われると天にも昇るようなうれしい気持ちになり、「この上司のためなら一生懸命手助けしよう」と感じると言います。
マナーとして使う「ありがとう」では感謝の気持ちは伝わりません。心からの「ありがとう」が上司と部下の関係を良好にし、部下は上司のために頑張ろうと思えるようになるのです。
この3つはどれも基本的なことですが、つい疎かにしてしまいがち。
上司と部下の間に信頼できる関係を築き上げることは、チームで結果を出す上で必要不可欠です。もし、自分の部下に対するコミュニケーションを振り返り、当てはまる言動をしていたら、一度自分の振る舞いを見直してみるのもいいのかもしれません。そういった意味でも、本書はおおいに参考になるはずですよ。
(新刊JP編集部)
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