誰にとってもお金は大事なもの。でも、なかなか稼げなかったり、貯まらなかったりと苦労している人は多いはずです。
『お金がどんどん増える人 お金がたちまち消える人』(学研パブリッシング/刊)は、お金を稼ぎ、増やすことができる人と、お金を失ってしまう人の行動や考え方の違いに焦点を当てた一冊。
今回は著者の午堂登紀雄さんにインタビュー。「お金が消える人」の特徴や、「お金が増える人」の行動など、日々の生活で気をつけたい“お金の話”をお聞きしました。その後編をお届けします。
―― 収入がなかなか上がらず、低収入から抜け出すことがどんどん難しくなってきています。午堂さんが今現在生活できるかどうかギリギリの収入しか得ていないとしたら、この状況から抜け出すためにどんなことをしますか?
午堂:選択肢は大きく二つあると思います。今の会社で給料を上げていくことを考えるか、転職してより高い給料のところで働くことを考えるか、です。
――資格を取るという選択肢はありませんか?
午堂:今は資格保持者が余っている状況ですから、そんな環境下でも集客する方法を持っている、勝算があるという人なら良いと思います。が、それができる人なら、別のもっと利益率の高い商売をするかもしれませんね。
そもそも資格取得を目指す人は、とりあえず「手に職を」という発想があることが多いようです。これはウラを返すと、自分で商品を考えたり、営業活動をしたりするのが面倒だから、という本心が透けて見えます。つまり、資格があれば自動的に客が来るとか、会社から評価されるとか、転職できるんじゃないか、という安易な発想で「資格」に惹かれるわけです。これでは稼げる人になれるはずもありません。
――今いる会社で給料を上げていこうとなった時、どんなことが大事になりますか?
午堂:営業職ならとにかく成績をあげれば給与やボーナスに反映されやすいと思います。数字などで評価されにくい職種の人は、会社の昇給や昇進の査定基準を知り、それに倣って仕事をしてみるのが、まずは順当かと思います。
――収入は多いものの、手元にお金が残らない人もいます。こういったことになる原因も、やはり物事を「なんとなく」決めてしまったり、「なんとなく」でお金を使ってしまう点にあるのでしょうか。
午堂:それもありますし、お金がたくさん入るようになると、買うものが“まんべんなく”高級品になりがちです。お金がない時期は、「これにはお金を使う」「ここには使わない」というメリハリがあったのが、食事にしろ衣服にしろ、買うモノの値段が全体的に上がり、生活の全方位にわたって支出が増えていきます。すると、収入は結構あるのに、お金が残らないということが起こりがちです。
こういう人は、自分にとって何が重要で、何にお金を分配する価値があるのかをもう一度考え直す必要があるでしょう。
――私たちが普段「なんとなく」つかっているもので、午堂さんが最も「無駄」だと思うものは何ですか?
午堂:たとえば携帯電話関連。最新機種が出るごとに買い替えたり、気分に合わせてカバーを買い換えたり、スマホゲームで課金アイテムを買ったり、というのも、なんとなく出費のひとつです。あるいはコンビニで新商品を見るとつい試したくなる、というのも挙げられます。
――午堂さんの本からは、お金に対して非常に高い意識を持っていることが読み取れます。
お金に無頓着であったり、あまり関心を持たない人がいる中で、なぜそれほどまで強い気持ちを持ってお金を増やそうとされているのでしょうか。
午堂:これは二つの理由があります。一つは、より幅広い経験をしようと思ったらどうしてもお金が必要になるわけで、そういうチャンスを「お金がないから」という理由で放棄したくないからです。だから、どうでもいい商品、自分の人生に変革を起こさないものにお金を使いたくないのです。
もう一つは、お金を稼ぐことは一種の社会貢献だ、という想いがあるからです。そもそも人の役に立っているから対価としてのお金をいただけるわけで、逆に、「これ以上は稼がなくてもいい」「これだけあれば十分」という人は、無意識のうちに「自分は今以上、人の役に立たなくてもいい」という自己中心的な発想の持ち主ではないかと思っています。
そういった面も含めて、お金はあればあるだけいいし、己の限界まで稼ぐべきだというのが私の考えです。
もちろん、私自身も事業者のひとりとして、消費者に買ってもらえるように日々工夫をしている身ですから、企業側の狙いがよくわかる。だから価値のあるなしに敏感だ、という側面もありますが。
――最後になりますが、お金が手元に残らず苦労している方々にメッセージをお願いします。
午堂:とにかく自分の頭で考える、ということですね。さっきお話ししたスマホゲームにしても、世の中のビジネスは全て、頭のいい優秀な人が考えたものです。だからこそ、自分がお金を使う目的やリターンをよく考えないと、自分より優秀な人たちが作った仕組みに財布を開かされてしまいます。そうしたことを防ぎ「お金が増える人」になるきっかけとして、本書がお役に立てるのではないかと思っています。
(新刊JP編集部)
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