書店にはさまざまな「話し方」の本が並んでいます。コミュニケーションが苦手な人は話し方を身につけるために本を読んで勉強をしている人も多いでしょう。
でも、あなたが営業マンの場合、少し立ち止まって考えてみて下さい。営業の仕事で一番大事なことはなんですか? 「好かれる話し方」? それとも「面白い話し方」? おそらく違うはずです。
「話し方」よりも優先されるべきこと、それは「合意」をとるということです。
セールスコンサルタントの佐藤昌弘さんが執筆した『最高の営業デビュー』(日本実業出版社/刊)の中から、どんな場面でも使える「4つの営業スキル」をご紹介する連載企画。最終回は営業にとって最も大事なスキル「〔合意〕をとるプロセス」です。
では、そもそも「〔合意〕をとりつける」とは一体どういうことでしょうか。
■〔合意〕をとりつければお客さんの本音が見える?
あなたは商談の「本題」に入る前に、ちゃんとお客さんと〔合意〕をとっていますか?
「本題」とは、商品の特徴を説明したり、相手が抱えている問題をヒアリングしたりとすること。実は、多くの営業マンの場合、いきなり相手の〔合意〕をとらずに「本題」に突入してしまい、お客さんは困惑してしまうのだそうです。
お客さんはそれぞれの目的があって商談にのぞんでいます。営業マンは、そのお客さんがどの段階にいるのか――前回取り上げた「購買心理プロセス」の中の「関心と情報収集」の段階なのか、それとも「比較と判断」の段階にいるのか、見極めることが大事。その上で〔合意〕が必要なのです。
■合意をとりつければ商談はスムーズに行く!
では、具体的な〔合意〕のとりつけ方とは一体どのようなものなのでしょうか。
ステップ(1)挨拶(と軽い雑談)
ステップ(2)まず、情報提供の〔合意〕
「もしよろしければ、○○についてご説明させていただきたいのですが、お話を聞いていただけますでしょうか?」
こうした情報提供について、お客さんの回答がNOならば、冷やかしか、警戒度が高いということ。この時点で追いかけるのは厳禁です。「突然お声掛けしてすみませんでした」などと言って逃がしましょう。
もし、OKという返事をもらった場合は、次のステップに移ります。
ステップ(3)比較と判断の〔合意〕
「それと、弊社でお買い求めいただくと、ライバル他社と何が良いのか? 弊社製品や弊社についても少しお話させてください。それも、聞いていただけますでしょうか?」
佐藤さんいわく、ここまで〔合意〕をとりつけて、比較材料まで欲しがる(YES)のであれば、このお客さんは「比較と判断」の段階にある確率があるといいます。つまり、とても優良な見込み客である可能性が高いのです。
このようにして、「今、お客さんがどの段階にあるのか」を判別します。
本書で書かれている「営業スキル」は、営業マンにとって基礎中の基礎であるとともに、欠かせないものでもあります。結果を出せる営業マンになりたいと望んでいる人は、ぜひ本書を一読して、実践してみてください。
(新刊JP編集部)
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