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球児を開花させた“中継ぎ”という役割

 米大リーグのテキサス・レンジャーズを退団した藤川球児投手が6月1日、日本の独立リーグである四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスに入団することを自身のブログで発表し、話題を呼んでいる。

 藤川投手といえば、2005年、2006年と2年連続で最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得、クローザーに転向した2007年にはシーズンセーブ数の日本タイ記録をあげるなど、救援投手としてフル回転していた姿が記憶に残っているファンも多いだろう。

 藤川投手が頭角を現したのは、中継ぎ投手に転向してから。中継ぎは先発やクローザーにくらべ地味な存在だ。しかし、チームにとって「安心して任せられる中継ぎ」がいるかどうかは、長いペナントレースを戦う上で生命線となる。今でも、巨人には山口鉄也選手、阪神には福原忍選手といった具合に、強豪チームには必ずと言っていいほど優秀な中継ぎ投手がいるものだ。

 中継ぎは先発と違い、いつ出番がまわってきてもおかしくない。また、クローザーのように1イニング限定ということはなく、ときには長いイニングの連投する場面もある中継ぎは、精神的にも肉体的にもタフさが求められる。
 そんな中継ぎ投手の役回りとビジネスパーソンにはいくつかの共通点があるという。

■「常に結果を求められる」
 自分の責任で招いたピンチでなくとも手を抜くことは許されない。さらに、トラブルをどれだけうまく切り抜けられるかも評価に直結する。どんな状況に置かれても結果を求められるという点で中継ぎとビジネスパーソンの重なる部分は大きい。

■「その割には評価が低い」
 切羽つまった場面で仕事を任されることが多い割に、役割を果たしても「できて当然」と言われてしまいがち。つまり、がんばっても正当な評価を得られるとは限らないのが、中継ぎとビジネスパーソンの共通点といえる。それでもいつか報われると信じて、自分の役割をこなし続けなければならない。

■「もくもくと続けることがチャンスにつながる」
 新人投手にとって、中継ぎというポジションは先発やクローザーに昇格するための登竜門ともいえる。「ハードなわりに評価されない」とふてくされずに淡々と仕事をこなす。その結果、次の道がひらけることがある。そういう意味ではビジネスパーソンも同じだろう。どんなに嫌な仕事でも誠実に向き合っていれば、その姿を見ている人が必ずいて、チャンスをくれるものなのだ。

 いつ自分の出番が来てもいいように常に準備を怠らない。正当な評価をされていないと感じても腐らないで自分のやるべきことをしっかりとやる。このような姿勢をもつことは仕事においても非常に重要だろう。
 その「中継ぎ」の心がけが書かれた『中継ぎ力』(与田剛/著、ワニブックス/刊)は、仕事の場面でもおおいに参考になるはずだ。
(新刊JP編集部)

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球児を開花させた“中継ぎ”という役割

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