いつでもしっとりすべすべで、ニキビもしみもない綺麗な肌には、女性なら誰でも憧れますが、毎日お手入れしているのに、どうしても肌がきれいにならなかったり、それどころか肌が荒れることに悩んでいる人は多いはず。
『肌のきれいな人がやっていること、いないこと~月1万人を診る人気皮膚科医が自分の肌で試した本物の美肌法』(あさ出版/刊)の著者で皮膚科医の菅原由香子さんによると、普段から肌に良かれと思ってやっていることのなかには、かえって肌荒れを悪化させてしまうNGケアが混じっているのだとか。
一体どんなケアが「NG」なのでしょうか?
――『肌のきれいな人がやっていること、いないこと~月1万人を診る人気皮膚科医が自分の肌で試した本物の美肌法』についてお話を伺えればと思います。皮膚科医をされている菅原さんのところには、肌のトラブルに悩む方がたくさん相談にくるのではないかと思いますが、近頃多い肌トラブルにはどのようなものがありますか?
菅原:季節柄、乾燥肌に悩む方の相談が多いです。乾燥肌の原因で一番多いのは、実は化粧品なんです。これは、保湿するための化粧品を塗れば乾燥しないと思って使っていることがそもそも間違いで、化粧品に含まれる合成界面活性剤がお肌の構造を壊して、お肌が自ら潤う力を弱くしてしまいます。それによってお肌に水分をとどめることができず乾燥肌になってしまうのです。
――本書では市販の化粧品に含まれる有害物質について指摘するとともに、天然のオイルや自作の化粧水、無添加せっけんをすすめています。なかでも「石けん洗髪」が特に興味深かったのですが、シャンプーを使わないと、洗った後に髪がごわごわしませんか?
菅原:確かに石けんで洗髪すると髪の毛がゴワゴワします。その原因は石けんカスが髪の毛に残ったり、髪の毛のPHがアルカリ性に傾いてキューティクルが拡がることなのですが、石けんをよく洗い流すことと、石けん洗髪後にクエン酸でアルカリ性を中和すると、ゴワゴワ感が少なくなります。
また、髪の毛が傷んでいる方は、いままでは通常のシャンプーやリンス・トリートメントに含まれるコーティングする成分のおかげで、そんなにゴワゴワに感じなかったのが、
石鹸で洗髪ではそのような成分は含まれていないので、しばらくゴワゴワ感じます。
しかし、石鹸洗髪を続けていると、頭皮が健康になってくるので髪の毛も健康になります。1か月くらいゴワゴワを我慢して石けん洗髪を続けると、健康な髪の毛になってゴワゴワを感じなくなります。ただ、髪の毛の長い方は端の方まで健康になるのは難しいので、傷んだ部分は切ってしまった方が早いとは思います。
――市販の化粧品といってもぴんからきりまで様々です。高価な化粧品にはやはりそれなりの効果があるのでしょうか。
菅原:高価な化粧品だから高価があるとは言えません。ブランドの名前だけで、中身の原価はとっても安いものも多いです。高価な化粧品の金額の中身はきれいな容器代と宣伝費と思った方が良いでしょう。
――私達は普段知らずにやってしまいがちな、「肌にダメージを与える習慣」がありましたら教えていただければと思います。
菅原:女性は朝も晩もと、スキンケアを頑張り過ぎること自体が肌にダメージを与える習慣ですね。お肌は自ら潤う力があるのに、化粧品を塗りこんで一生懸命ケアするのは、肌を痛めるのと、肌本来の力を弱めることになります。皮膚は刺激をすると皮膚の構造が壊れて皮膚本来の力を発揮することができなくなります。できるだけシンプルに、必要最小限の保湿するものだけをつけるのが、肌を美しく保つ秘訣です。
男性に関しては、何も考えずにこすり過ぎです。居酒屋のおしぼりでゴシゴシこすっている光景はよく見かけますよね。こすることと、おしぼりに含まれる洗剤でお肌の構造が壊されます。
(後編につづく)
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