毎日を穏やかな気持ちで過ごしたいと思いつつ、日常のささいなことでついイライラしたり怒りを感じてしまうのは筆者だけではないはず。
でも、「怒り」や「イライラ」って、人にぶつけても後で嫌な気持ちになるだけで、生産性がないケースがほとんど。本当に不毛なんですよね…。どうすれば、こういうネガティブな感情から解放されるのでしょうか。
『イラッとしない思考術』(安藤俊介/著、ベストセラーズ/刊)は、こんな悩みを解決すべく、日常の様々なシーンごとに「イライラしない考え方」や「イライラした時の対処法」を教えてくれます。
たとえば、職場で部下に対してイライラしっぱなし、という人は、こんな風に考えてみてはいかがでしょうか。
■「いや、でも…」と言い訳ばかりする部下にイライラ
「いや、でも自分的にはそれでいいと思ったんです……」
「いや、でも指示が今ひとつはっきりしなかったので……」
と、言い訳を繰り返すばかりで、一言も謝らないし、ミスも認めない部下や後輩って、本当にイライラしますよね。
でも、部下が言い訳をする時というのは、ほとんどの場合上司の方が言い訳を誘発するNGワードを使っているんです。
そのNGワードは「なんで?」。
この言葉は、人を責める言葉ですから、「なんでできないの?」「なんで言い訳するの?」と「なんで」を連発すればするほど、相手の言い訳を引きだしてしまいます。
これを「どうすれば」に変えて「どうすればできるかな?」と問いかけるだけで、部下の言い訳は減りますし、会話も建設的なものになるはず。部下の言い訳をやめさせたければ、まず上司の方から変わらなければいけないのです。
■ちょっと叱っただけなのに「パワハラ!」という部下にイライラ
良くも悪くもハラスメントの意識が高まっている今、ちょっと厳しく叱ろうものなら部下から「パワハラだ!」と言われることも珍しくありません。
何でもかんでもパワハラにされては、怖くて部下を指導できませんし、部下のために良かれと思って叱っていることを考えると苛立たしい気分にもなります。
こういうイライラを減らすためには、上司の側が「上手に叱る」しかありません。
上手な叱り方というのは「叱る基準線がはっきりしている叱り方」のこと。
相手やタイミングによって叱ったり叱らなかったりでは、部下からしたら上司が気分で叱っているように見えます。当然、パワハラという指摘も増えてしまうわけです。
どの部下に対しても同じように「この基準線を超えたら叱るよ」というラインを持っていれば、相手もなぜ叱られているかわかりますから、落ち込んだりはしてもパワハラだとは思わないはずです。
■言ったことをすぐにやらない部下にイライラ
「いそいでね!」「すぐにやってね」と頼んだ仕事なのになかなかやらない部下。
時間がない上司からしたら「もういい!」と仕事を奪い返して自分でやってしまおうかと思ってしまいます。
しかし、これは部下と上司の間で「すぐに」の定義が違うから怒る問題ですから、ルールさえ作れば解決できます。
「すぐに、と言われたら3分以内にやる」など明確なルールがあれば、感覚のずれによるイライラは生まれません。互いにストレスを感じることなく仕事ができるはずです。
今回は仕事にまつわるイライラの解決法を紹介しましたが、本書には「対上司」「対同僚」さらには、家庭内や満員電車、路上など、様々な場面でのイライラや怒りの乗り越え方が紹介されています。
せわしない師走ということで、気持ちに余裕がなくなりやすい時期ですが、大らかな気持ちで一年を締めくくりたいものですね。
(新刊JP編集部)
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