仕事や勉強で成果を出せずに苦しむ人がいる一方で、仕事で結果を出しながら難しい資格を取るなど、同時にいろんなことができる人もいます。
要領の良し悪しといってしまえばそれまでですが、両者の違いはそこだけではありません。
『合格(ウカ)る思考』(宇都出雅巳/著、すばる舎リンケージ/刊)によると、目標にしたことを何でも達成できる人とそうでない人は「考え方」に決定的な違いがあるとのこと。たとえば、こんな風に考えるクセがある人は要注意です。
■「減点思考」は成長を止める
「減点方式・加点方式」という言葉は聞いたことがある人が多いはずですが、目標に向かっている時に、現状を「減点思考」で判断するか「加点思考」で判断するかで、成長のスピードがまったく変わります。
この場合の「減点思考」とは、目標と現状を比べて「まだ、これだけしかできてない」と考えること。一方「加点思考」は「ここは覚えている」と考えることで、目標達成のために効率的なのは、圧倒的に後者です。
減点思考は、言い換えれば、まだできていないところにスポットライトを当て、「わかっていること」や「できること」は流してしまう考え方。これだと落ち込まなくていいところで落ち込んだり、悩んだりして、目標に向かうための努力そのものがストップしやすくなってしまいます。
「わからないところを埋める」ではなく「わかっているところを増やす」と考える方が成長は速いのです。
■問題点をあいまいにする「一般思考」
「全然ダメで…」「まったくわかりません」
これらは、目標達成できない人の口グセです。
両方とも、前述の「減点思考」であると同時に「一般思考」でもあります。
「一般思考」とは、様々な物事を一緒にして考えてしまうこと。たとえば「数学が全然ダメで…」という人でも、本当に数学が何一つわからないということではないはずです。
わかる部分、できることがあるにも関わらず、「数学がダメ」とひとまとめに考えてしまうと、「何がわかっていて、何がわかっていないのか」があいまいになってしまいます。これでは、これからどういう風に勉強していけばいいかわかりませんよね?
■「がんばり」と「やる気」が目標達成の邪魔をする
「がんばり」も「やる気」も大事なものです。問題なのは「がんばり」と「やる気」で目標を達成しようとすること。
目標は大きければ大きいほど、達成するのに長い時間がかかります。これを「がんばり」や「やる気」だけで乗り切るのは難しいのです。
多くの人が経験していると思いますが、意思の力は長続きしません。目標を達成できる人はこのことをわかっていて、たとえやる気が出ない日でも机に向かったり、考え事をしたりと、目標達成のための行動ができる「仕組み」を持っているのです。
その「仕組み」がどういうものかは、人それぞれ、目標によってそれぞれですが、「がんばり」と「やる気」に頼ることはやめたほうがよさそうです。
受験勉強も、資格試験でも、ビジネスでも、結果を出せる人は結果を出せるような「考え方」を持っています。
物事がうまくいかないと、「才能がないのかな」「要領がわるいのかも…」と悩みがちですが、一度立ち止まって「考え方」に目を向けてみると、状況が変わりはじめるのではないでしょうか。
(新刊JP編集部)
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