親はいつでも、子どもの様子をなるべく詳しく知っておきたいもの。でも、そのために必要な“親子のコミュニケーション”がうまくいかない……と悩む親は多いようです。
そんなコミュニケーション下手な家庭のための特効薬はないのでしょうか。
『御三家・灘中合格率日本一の家庭教師が教える 頭のいい子の育て方』(アスコム刊)の著者・西村則康さんは、本の中でこう指摘をしています。
「コミュニケーションが下手な家庭の多くは、文章ではなく、単語で会話を交わしているのが特徴です」
この言葉を聞いて、思い当たる親も多いのではないでしょうか。
たとえば、学校から帰ってきた子どもに「今日、学校どうだった?」と親が聞くとします。すると子どもが「楽しかった」と答え、それで終わり。こんな、必要最小限の言葉だけを使った会話は最悪だと、西村さんは警鐘を鳴らします。
親子の会話で大切なのは、単語ではなく文章で話そうと意識することだといいます。たとえば上記の会話でいえば、「楽しかった」の一言ではなく、子どもが、「○○くんと○○くんと一緒にサッカーをして、すごく楽しかったよ」と、文章で答えらえるようにするのがベストです。
では、親から接するとき、どの点に注意したらいいのでしょうか。
気を付けたいのは、なんと日頃の両親(つまり夫婦)の会話だとか。西村さんによれば、大人も、気づかないうちに単語だけで会話していることが多いそうです。
「何時に帰る?」
「7時」
耳が痛い方もいるかもしれませんが、こういう会話を朝から交わしている家庭も多いはず。子どもは大人の行動をよく見ているので、決してよい影響を与えているとは言えないかもしれません。
西村さん曰く、「語彙は、日々の暮らしのなかで自然に身についていくもの」。思考訓練が必要な時期の子どもには、親もなるべく意識的に文章で会話するようにしてみるとよいのではないでしょうか。
本のなかには、このほかにもいますぐ実行できる身近な子育てのヒントが満載です。夏休み、せっかく子どもと過ごす時間が増えるのですから、子どもとの接し方を改めて見つめ直してはいかがでしょう。
(新刊JP編集部)
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