会議やプレゼンテーションで、あるいはブログやSNSで、「深い思索」に基づいた説得力のある意見が言えたらかっこいいですよね。
しかし、これはなかなか難しいことですし、そもそも物事を「深く考える」とは一体どういうことなのでしょうか。それは、単に時間をかけて考えることではありませんし、真剣に考えることとも違います。
『思考を広げる まとめる 深める技術』(太田薫正/著、中経出版/刊)は、経営コンサルタントとして考えることを仕事にしてきた著者による「思考の技術書」。
本書では「深く考える」には自らの考えを「確かめる」ことが必要であると述べられ、そのための方法が例や図解を用いてわかりやすく紹介されています。
■例外を考える
たとえば、何かについて自分の意見を持った時、「粗探し」をするようにその意見が当てはまらない「例外的なケース」を考えることは、自分の考えを深める一つの方法です。
例外があまりに多ければ、もっといい意見があるのではないかということに気づくきっかけになりますし、「この場合は除く」ということがしっかり把握できれば、あなたの意見の精度はワンランクあがったことになります。
■複数の側面を考える
物事を一方面からしか考えないと、どうしても判断を誤ったり、貧弱なアイデアしか出なかったりします。
ほとんど全てのことは、いくつもの要素が複雑に絡み合っているはず。様々な角度から見ないことには本当の姿は見えないのです。
たとえば新たなビジネスのアイデアを考えるなら、それに関わる人それぞれの目線に立って見るなど、複数の側面から物事を考えることで、穴の少ない「深い思考」になるはずです。
■理由づけを考える
アイデアでも計画でも、「なぜそのアイデアなのか?」「なぜこの計画を実行しようと思っているのか」など「なぜ」をつけて自分の考えの理由を探ってみて、納得できる答えが見つからないなら、そのアイデアや計画は実行しない方がいいかもしれません。
どんな計画でも、「なぜこの計画なのか?」という理由が見つからないようでは成功は難しく、失敗を糧にすることもできません。
「なぜ?」と問いつづけて、自分の考えの根拠を明らかにすることは、そのまま「思考の深さ」と直結します。
■反論を考える
自分の考えていることに対して、どんな反論が可能であるかを考えることも効果的です。
反論が出たら、元のアイデアと比べて、どちらが正しいのかを判断し、その理由も考えてみましょう。
また、反論に対するさらなる反論を模索したり、反論を踏まえてアイデアを修正していくということも同時にやっていくと、あなたの思考は磨き上げられていきます。
「深く考える」ために必要なことはこれだけではありませんし、また「考える」上では「深める」だけでなく「広げる」ことも「まとめる」ことも大事。
本書では、これら全てについて詳しい解説がなされていて、どうやって全体的な「考える力」を伸ばしていくかについても、コンパクトに述べられているため、あなたの思考の「技術」を高めてくれるはず。それはそのままあなたの仕事や将来を変えてくれることになるかもしれません。
(新刊JP編集部)
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