くしゃみ、鼻水、鼻づまり…。今年もツラ~イ花粉症の季節がやってきました。
西洋医学の観点では、花粉症はアレルギー性鼻炎の一種で、花粉が鼻の粘膜に付着することで体が反応し、くしゃみや水溶性の鼻水、鼻づまりを起こすものとされています。
一方、漢方では、ストレスや過労、不規則な生活などによって体内の水分が一か所に滞ったり、本来あるべきところではないところにある「水毒」という状態が、体の抵抗力を弱くし、もともと無害なはずの花粉を攻撃してしまうことで花粉症が起こると考えます。
つまり、漢方の観点では、体内の水のめぐりを良くし、体の抵抗力を正常に戻すことで、花粉症の改善が期待できるということになります。
ここでは漢方理念に基づいた化粧品ドモホルンリンクルや医薬品でおなじみ、再春館製薬所監修の『再春館製薬所が教える おうち漢方』(新星出版社/刊)から家でもできる漢方の考え方を使った対処法を紹介しましょう。
■花粉症の原因の一つは“食生活”?
漢方の考え方の特徴は「体を“全体”として捉える」ということ。症状に対して部分的な対処をするのではなく、体全体の状態を見て、体質や生活習慣そのものを改善しようと働きかけます。
特に食生活は体に対して大きな影響を与えます。甘いもののとりすぎは「水毒」を起こしやすくなるほか、油っぽい食事や、体を冷やす食べ物や飲み物にも注意が必要。
また、日本人はもともと体を冷やさない食材をとってきましたが、食の欧米化によって、本来の体質にあわない食生活が定着し、内臓機能のバランスが崩れ、体に水がたまりやすくなり、それが花粉症の増加につながっているとも考えられます
■花粉症を緩和するレシピとは
本書では、花粉症の症状を緩和する食材として、以下のようなものが紹介されています。
・ショウガ、タマネギなど … 水をめぐらせ、「水毒」の状態を解消するもの
・ブロッコリー、シソなど … 鼻の粘膜の炎症を抑え、鼻水・鼻づまりを改善するもの
他の食材もたくさん紹介されていますが、これらの食材を組み合わせた「ブロッコリーとツナのサラダ」の薬膳レシピも紹介されているので、実践しやすいですね。
漢方は西洋医学に比べてあまりなじみがないように感じるかもしれません。でも実は、私たちにとって身近な「七味唐辛子」も「疲れたときに梅干を食べる」ことなども漢方の考え方によるもの。私たちは知らず知らずのうちに漢方を取り入れているのですね。
漢方の基本は「自然の力を取り入れて、生命力を高める」というもの。人間が長い歴史のなかで利用してきた、経験に基づく医学である“漢方”。ぜひとり入れてみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部)
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