いまさら言うまでもないが、猫はかわいい。異論は認めない。
近所で見かけたら足を止めるのはもちろん、かわいい猫が見られるテレビ番組は録画してでも観る。
筆者のような猫好きなら、ドラマ(東名阪ネット6等で放送)として人気を博し、3月1日に映画版が公開されたばかりの『猫侍』を見逃すはずがない。この作品の見どころは主演の北村一輝ではなく猫。時にコミカルで時に切ないストーリー展開ではなく猫。とにかく猫の「玉之丞」が猛烈にカワイイのである(北村一輝の演技もストーリーも素晴らしいのだが)。
もちろん、そんなことは猫好きなら常識で、真っ白でフワフワの玉之丞の愛くるしさはドラマ放送中から話題になっていたわけだが、あまりの人気ぶりに写真集まで出てしまった。
『猫侍 玉之丞 写真集』(扶桑社/刊)には、『猫侍』の世界の中で撮られた玉之丞の写真がこれでもかというほど収められている。
筆者は知らなかったのだが、玉之丞の役は、実は三匹(あなご、さくら・若、さくら・大人)が演じていて「三匹一役」なのだそうだ。三匹とも真っ白な毛並の上品な猫だが、顔つきや性格はさまざま。本書にはそれぞれの猫の特徴が詳しく紹介されているので、映像を見返して「このシーンはどのコかな?」と推理するのも楽しい。
また、インタビューページでは、ドラマ版で監督を務めた渡辺武さんが、玉之丞にまつわる撮影秘話を披露。
なかなか思い通りに動いてくれない猫ということで、さぞかし撮影は難航したかと思いきや、3回ほど逃げてしまったものの、「想像していたよりも苦労が少なかった」(渡辺さん)とのこと。ただ、怖がらせたり、驚かせたりしないように現場では大声は出さず、カチンコも鳴らさなかったそうだ。
また、動きの予想がつかないからこそ生まれた奇跡的なシーンも。
玉之丞殺しを依頼した佐吉(水澤紳吾)が長屋にやってきた時、北村一輝扮する斑目が、とっさに変な姿勢で玉之丞を背後に隠すのだが、これは本来斑目の前で立ち止まるはずだった玉之丞が行き過ぎてしまったために、北村がとったアドリブだという。その後、斑目に抱きあげられた玉之丞がウインクする場面と併せて、猫好きにとってのハイライトとなった名シーンである。
映画版が公開され、またしても愛猫家の話題をさらっている『猫侍』。
日光江戸村での玉之丞「たち」の撮り下ろし写真もふんだんに収められている本書に触れて、3匹の特徴をつかんでおけば、映画の方もより楽しめるはずだ。
三匹の猫の様子はこちら。
(www.sinkan.jp/news/index_4423.html)
(新刊JP編集部)
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