10年前と比べると、今は生活の中で接する情報の量がケタ違いに増えているというのは、誰しもが共感するところでしょう。
情報は私たちに新しい選択肢や、知らなかった価値観をもたらしましたが、その反面「選択肢が多すぎて選べない」「頭の中がぐちゃぐちゃになってやるべきことがわからない」といった弊害も出ています。
『フセンで考えるとうまくいく:頭と心が忙しい人のための自分整理術22』(平本あきお/著、「元気が出る本」出版部/編集、現代書林/刊)はこの問題に、本や資料を読む時に貼る「フセン」を使って、溢れかえる情報に溺れずに、整理して活用する方法を教えてくれる一冊。
一体フセンをどのように使うのでしょうか。
■頭の中にあることを全て書き出す
たくさんの仕事を抱えているにも関わらず、「これお願いできますか?」と人から頼まれると断れない人がいます。それでもうまく回っているうちはいいのですが、あまりに頼まれごとが多いと、いつかは容量オーバーになってパンクしてしまうでしょう。
この事態を避けるために、まずフセンを沢山用意して、1枚に1つずつ、今気になっていることや、頼まれたこと、やるべきことを書いてみましょう。
ここで大事なのは、とにかく思いつく限り書き出していくこと。頭の中にあるものを全て吐きだすつもりでやってみましょう。
■「やらない」「任せる」「先送り」に振り分ける
これが終わったら、次は紙を一枚用意して、そこに「やらない」「任せる」「先送り」の3つの枠を作ります。そして、書き出したフセンを1枚ずつ見て、この3つの枠に振り分けていきます。
ここでは、「やらない」の枠から順に貼っていくのがポイント。よく考えてみたら必要なかったことは「やらない」に、他の人に任せても大丈夫なことは「任せる」に振り分けていき、この3つのどれにも当てはまらないものが「やるべきこと」です。
■「やるべきこと」もさらに細かく砕く
ただ、「やるべきこと」として残ったことを、ただやればいいという訳ではありません。
たとえば「企画書作成」がやるべきことだったとして、そこには「過去のサンプルを集める」「上司から作成意図をヒアリングする」「第1稿を作る」など複数の作業が発生します。これも同様に「やらない」「任せる」「先送り」に選別すれば、よりやることがクリアになり、全て自分で抱えこまずに済むのです。
これをやってみると、普段自分がいかに「やる必要のないこと」や「自分でやらなくてもいいこと」に気を取られていたかがわかるはずです。
本書はこの他にもフセンを使って思考や価値観を整理する方法を多く取り上げています。
旅行の行き先を決めたり、人との付き合い方など、日常生活にもビジネスにも使える方法なので、決断できない人、時間に追われがちな人、行動力がない人は参考にしてみてください。
(新刊JP編集部)
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