「ブラック企業」問題をはじめ、労働者側が搾取される状況はなかなか改善されません。どれだけ働いても一向に楽にはならず、疲れはたまるばかり。「うつ」になってしまい、その後の人生がメチャクチャになってしまうケースもあります。
では、どうして働き始めると「社畜」になってしまうのでしょうか?
そして、会社で働きながらも、社畜にならない方法はあるのでしょうか?
『仮面社畜のススメ』(小玉歩/著、李白社/刊)によれば、社畜にならないたった一つの方法とは、「会社を利用する人」になることです。
「会社を辞めたいけれど、お金がない」「自分は能力がないから、転職なんかできない」「自分に自信が持てない」――こう考える人たちは、会社に足元を見られ、ただ利用されているだけです。しかし、多くの人がこうなってしまうのには、理由があります。
小玉さんは、「自分の意見を言わない“利用される人”になる」ことばかり教えてくれる学校教育に、その原因があると指摘しています。
では、「利用される人」、つまり社畜になってしまう人の特徴とは、どのようなものがあげられるのでしょうか。本書には42個紹介されていますが、その中から10個、ピックアップしてみます。
あなたはいくつ当てはまるでしょうか?
□上司に気に入られるように動いている。
□どんな上司にも言う通りに従う。
□同僚とプライベートでもよくつるんで遊ぶ。
□怒られたらすぐに謝る。
□社内の評価を気にしている。
□指示された仕事の範囲内しかやらない。
□サボるときは、喫茶店で同僚と話したり、マンガ喫茶で寝ていたりしている。
□インターネットはやりすぎないほうがいいと思う。
□将来のために毎月コツコツと貯金をしている。
□休日は休日、しっかりと休む。
いかがですか? たくさん当てはまってしまった人は要注意です。
この『仮面社畜のススメ』では、社畜メンタルから抜け出し、社畜のフリをした「仮面社畜」になれと提案しています。
例えば、「上司に気に入られるように動いている」人は、上司に気に入られることよりも、「結果にフォーカスする」人になりましょう。
上司に気に入られるということは、上司の言いなりに働くということ。しかし、上司の言う通りにしていても、成果を出せる力がつくとは限りません。ビジネスは結果が第一ですから、結果にフォーカスするという自分なりの指針を持っていれば、上司の言うことと反しても説得力が増すはずです。
また、「喫茶店やマンガ喫茶でサボる」ことも「社畜」の特徴です。それは、「サボる」という逃避意識に問題があるからです。
目標も達成していないのに同僚と喫茶店で無駄話をしたり、マンガ喫茶で寝るのは「給料ドロボー」ともいえる所作であり、人生にとって死んでいる時間といえます。逆に、結果をしっかり出していれば、何も文句を言われることはありません。毎日定時で帰ってしまっていいし、サボるにしてもそのサボる時間が仕事にとってプラスになるようにするのが「仮面社畜」です。
無為に過ごすのではなく、全ての行動の意味をはっきりとさせることが脱社畜へとつながります。
ふつう、学校で「会社や組織を利用する方法」を教わりません。だから「仮面社畜」のように振る舞うことに戸惑いを覚えるかもしれません。しかし、会社を利用できるような存在になれば、将来どのような道を選ぶにしても、今いる会社を踏み台とできるので成功により近づくことができるはずです。その上で、本書『仮面社畜のススメ』は大いに参考になることでしょう。
(新刊JP編集部)
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