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“植物”と“空気”で改善 疲れた目のケアをするには

 パソコンを使った仕事が増えるなかで、増えるのは目の疲労。しかし、なかなかケアする時間もない…という人は多いはず。

 しかし、ただ目が疲れているだけだから少し休めば大丈夫、と無理するのは禁物。『目は1分でよくなる!』(自由国民社/刊)の著者で、今野式近視改善エクササイズの発案者である今野清志さんは「若い人に目の病気を発症する人が多くなっている」と警鐘を鳴らします。
 今回は今野さんにインタビューを行い、お話をうかがってきました。今回は後編です。
(新刊JP編集部)

■西洋医学と中医学の両輪で治療すべき

―最近では、レーシック(角膜屈折矯正手術)が流行していますが、後遺症のリスクもあることでも話題になっています。今野先生はどのように捉えていますか?

今野「手術することは決して否定していないけれど、その前に、どうして視力が落ちたのかという原因を追究することが大切ですね。視力が落ちました、じゃあ手術しましょう、高いお金をかけて、と。それは違うように思います。それで、安易に手術を受けたけれど、上手くいかずに目がブヨブヨになってしまったりすることだってあります」

―そんなことがあるんですか?

今野「角膜は薄いから、何度も手術は出来ません。血流がいかなくなって眼球が弱ってしまいます。
視力が低下した原因は必ずあります、それを探ってから改善していく方法があるはずです。ただ、改善していくのに時間がかかるから、もしその時間をどうしても短縮したければ手術をするという選択肢は出てくると思います。職業柄そうしたほうが良い人もいるのかもしれません。
でも、ほとんどの人は目の周囲の眼筋を鍛えることにまず挑戦してみるのもいいと思います。そもそも、この前、新聞に出ていたけれど、4割の人に後遺症が出ています。実際はそれ以上と思われます。術後の15年後20年後の結果はまだ、出ていないのです。すぐに視力が良くなるという宣伝ばかりが表に出ているから、リスクが見えにくくなっていますね」

―意外だったのは、本書の冒頭に書かれていた、「視力が悪いのは、遺伝だけが原因ではない」ということでした。

今野「例外を除いて遺伝が大きな要素ではないと思います。それよりも、やはり生活習慣が大きいですよ」

―でも、視力の低下を遺伝で片づけてしまうことは多いように思います。

「そうですね。ひどいお医者さんになると、『近視は病気じゃなくて誰もがなるものだから、心配するな』と言ったりもする。でも、実際は何かの原因で角膜がゆがんだり、屈折率が変わったりで、『原因がある』ということをもっと意識すべきです」

―医療や健康法の本を読んでいて、西洋医学と東洋医学の間にはすごく大きな壁があるように思います。今野さんはその点についてどう考えていますか?

今野「それは厚い壁どころじゃないよ(笑)だって、残念ながら、西洋医学は東洋医学を認めないのだもの。例えばテレビ局が私のところに取材に来るでしょう。するとね、その番組の監修を西洋医学の先生がしているものだと、その取材が丸々ボツになることがある。私は中医学だからね。
でも実際のところ、西洋医学の先生が中医学を勉強することはすごく大事なんですよ。また、勉強したほうが患者さんに、理論的にも説明が楽だし、より、名医に近づけます。ははは。病気を治療するのに、西洋も東洋もないわけですから。なんで垣根をつくってしまうのでしょう。
私も、もともとは大学病院の検査部に出向していて、科学的な治療が全てと思っていました。しかし、検査で分かっても、実際は治せません。また、薬を出すだけの治療に疑問を覚えて、効かなければ、『ハイ、次の薬』と薬漬け。それでどんどん患者は増えていきます。本当は病気になってからでは遅いのです。病気になる前に対処すべきだ、つまり予防医学をどうにかしないといけないと思いました。それが始まりなんです。
そして、よくよく勉強をすると、症状の8割は中医学でも対処できることが分かったし、西洋と東洋で喧嘩すべきじゃないし、協力し合うべきということも分かりました。西洋医学が特に優れているのは、検診です。たくさんの設備が投資されていることもあるけれど、何の病気かの診断は、科学も必要です。もちろん、出来たら両面の診断が理想ですが。そして、治療は中医学と西洋医学の両輪でやるべきです。そうしたことを訴えたくて、この本を書いたという部分もあります」

―普段からできる目のケアの方法を教えていただけますか?

今野「一番は目に負担をかけない環境づくりです。例えば、室内に植物を置いたり、マイナスイオン発生器や加湿器を使うだけでも違います。植物の効果は色の側面からも大きいですよ。緑色がストレスを軽減させてくれるというデータもあります。会社がそういう環境づくりをしてくれないのであれば、せめて自分の机の上だけでもやりましょう、と。自己防衛です」

―なるべく酸素が多い環境作りをすることが大事なんですね。

今野「そう。緊張したりストレスがたまったりすると呼吸が浅くなるから、なかなか酸素を吸えていない状況が生まれる。自分の体を維持するだけの酸素を取り入れていないのです。そこに劣悪な職場環境が重なると、酸素不足に陥るのは自明です」

―では最後に、このインタビューの読者の皆様にメッセージをお願いできればと思います。

今野「やっぱり、人間にとって一番に大事なのは健康です。健康はお金じゃ買うことができませんから。その中でも、特に目はすごく大事。取り入れる情報量が一番多いのは視覚で、人間を動かしています。目の疲れは脳の疲れ、全身の疲れにつながります。その意識をもっと持っていただきたいと思います。
あなたの目は、あなた自身の“視産”です。その“視産”をしっかりと守らないといけませんよ、と伝えたいですね。それが健康に毎日を過ごす秘訣だから」

(了)

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