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一瞬でポジティブになる“最強ワード”とは

 書道家として活躍の場を世界に広げている武田双雲さん。
 そんな双雲さんは、初対面の人が驚くほどの「ポジティブ思考」の持ち主。どんな人とも分け隔てなく接し、一気に垣根を越えてくるのですぐに仲良くなってしまうそうです。

 双雲さんの新刊である『ポジティブの教科書―自分も周りの人も幸運体質になる3つの基本と11の法則』(主婦の友社/刊)は、頭をポジティブにするための秘訣や方法が書かれた一冊。ポジティブになれば人生をより楽しむことができますし、自分の枠に縛られることない自由な心を手に入れられることができるはずです。
 今回、新刊JPでは双雲さんにそのポジティブの源泉についてお話をうかがってきました。今回はその前編です。
(新刊JP編集部)

■「自分は“ブレたい”んですよ」 ブレない心の秘訣とは?

―『ポジティブの教科書』はとても元気になる本でした。実は新刊JPで双雲さんにお話を聞くのは4回目になるのですが、まったくブレないですよね。

「そうですね(笑)そう(ブレないと)言われることが多いんですけど、自分はブレたいんですよ(笑)」

―えっ、そうなんですか? 「ブレたい」という言葉は意外です。

「むしろ、ブレたいくらいがちょうど良いと思いますね。ブレないでいようと思うと、逆にブレている自分を意識しちゃうじゃないですか。人間は言葉のイメージで左右されてしまうから、ブレちゃダメだと思うと、どうしてブレる自分にフォーカスしてしまうんです。だから、ブレるということに対して力を抜いている状態が一番の強さになると思います。しなやかな状態というか」

―自然体ですね。

「僕自身は『どっちでもいいんじゃない?』っていうのがベースの考えですからね。そして、たまにこだわりを見せるというか。力んでいたら楽しめないし、かといってサボっていたらつまらないし、壁が大きすぎるとやる気は出なくなるし、かといって壁が低すぎてもね。ちょうどいい刺激を探しながら、遊んでいる感じです。あ、そうだな、僕の感覚では限りなく『遊んでいる』に近いですね。
でも、子どもの頃ってみんな遊んでいたのに、だんだん遊ばなくなりますよね」

―「遊ぶ」ということを意識しますよね。

「そうなんですよ。『遊ぶ』の定義が変わりますよね。子どもの頃ってそこらに堕ちている木の枝一つでも全部遊びにクリエイトできていたのに、いつの間にか与えられたものだけで遊ぶようになっちゃっていて」

―当時は無邪気に遊んでいたのに、いつの間にか忘れてしまいます。

「なぜだろう。でも、大人になって『遊んでいる』ってあまり良いことを言われないですよね。どんどん遊べばいいと思うんですよ。批判が怖いのかな」

―そういえば本書の中で「嫌われてもいい」という項目がありました。以前、乙武さんとの講演会で「誰からも好かれたい」とおっしゃっていたと思うのですが、双雲さんの中で心の変化があったのですか?

「これはブレないと一緒で、嫌われてもいいという中で、全員に好かれたいということです(笑)よくばりでしょ? でも、嫌われてもいいと思って自然体でいたほうが、好かれやすいし、それは両立できると思いますね」

―双雲さんのツイッターやブログを読んでいると、常に感謝や尊敬の姿勢を感じられます。それが持ち前のポジティブさにつながっているように思うのですが、ツイッターやブログを書くときに意識していることはありますか?

「押し付けない感じにするにはどうしたらいいかということは考えていますね。結局、ポジティブな言葉って説教くさい正論なんですよ(笑)楽しもうと言われても、楽しめないから苦しい。できないことをやれと言われているわけで、『ポジティブでいようぜ』と言われても、聞く方は説教になってしまう。僕も説教されたくないから、いかに共感ベースから入るかというのは気を付けていますね。苦しい心の中に入っていく言葉を探して。目的はその人に幸せになってもらうことなので、そうなる打率をあげていこうと試行錯誤しています」

―『ポジティブの教科書』の中には、「ダカラコソデキルコト」という言葉が出てきます。私がこの言葉を初めて聞いたのは、3年半前のイベントのときで、双雲さんがワークショップ形式でみんなと一緒にやっていたんですよね。そのとき、すごく良い言葉だなと思って、普段壁にぶつかったときに何度も使わせてもらっています。この「ダカラコソデキルコト」は、双雲さんにとってすごく大事な言葉なのではないでしょうか。

「使い始めてから長いのですが、こんなにどんな言葉にも合うワードってないですよね。過去形でも、未来形でも、否定形、肯定形、全部合うんです。前の言葉を全て肯定に変えてくれる。『生真面目、ダカラコソデキルコト』とか『お金がない、ダカラコソデキルコト』とかね。受け入れて、かつポジティブに変えてくれるので、最強の言葉ですよ」

―そうですよね。

「ポジティブな言葉って、その人のダメな部分を否定してしまうところがあって、苦しんでいる人にとってそれが自分自身を否定する言葉になってしまうんですよね。今の自分の状態を分かって反省しているのに、さらに傷口に塩を塗る感じで」

―なるほど。でも、この「ダカラコソデキルコト」はダメな自分を肯定してくれますね。

「受け入れてくれて、その上で希望に持っていけるから。もちろん共感も大切ですが、それで終わってしまうとネガティブのループから抜け出せないんです。でも、『ダカラコソデキルコト』は一歩前進させてくれます。我ながら世紀の発見ですよ、これは(笑)」

(後編に続く)

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『ポジティブの教科書』を上梓した武田双雲さん

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