「いつかはビジネスで成功して大金持ちになりたい」
こんな人が書店で手に取りがちなのが「○○に学ぶ成功哲学」「○○の成功法則」などという名前で、成功者になるための法則が書かれている、いわゆる「成功本」です。
大金持ちとはいかなくても「今の自分を変えたい」「もっと仕事ができるようになりたい」といった向上心がある人の中には、こういった本を手に取ったことがあるという人もいるはず。
そんな人に質問です。その「成功本」、役に立ちましたか?
脳の性質を理解することによって、努力を長続きさせる秘訣を教えてくれる『5分の使い方で人生は変わる』(角川フォレスタ/刊)の著者、小山竜央さんは、「これまでの成功本は全て役に立ちません」と断言します。その理由はこんなところにあるようです。
■「成功本」の成功例は「たまたま」
実際に成功本を読んでみるとわかることですが、それらのほとんどは著者が自分の成功体験を本にまとめたもの。つまり「僕はこうして成功したから、みんなもこうするといいよ」という目線で書かれています。
これは、個人的な成功事例を全員に当てはまるように書いているだけで、自分が成功したことのメカニズムは検証していないということ。つまり、それが「たまたまうまくいっただけ」なのか「本物の成功法則」なのかを確かめることもなく書いているのです。
もちろん、全ての成功本がそうだとは言えませんが、この手の成功本が非常に多くあることは、書店に行ってみれば誰もがわかるはずです。
■「成功哲学」を成功してない人が書いている?
それだけではありません。
小山さんは、本書のなかで「成功哲学の大半は、実生活で成功していない人が書いている」と衝撃的な事実を明かしています。
この種の本を手に取るのは、何かしらの変化や成長を求めている人です。そういう人ほど思想を操りやすいため、情報操作や著者自身の売名行為のために出版する人が多いのです。
成功していない人が成功哲学の本を書くというのはおかしな話ですが、こういうことがまかり通っている現実は知っておくべきかもしれません。
■一時的にやる気が出る。でも…
とはいえ、成功本を読むと自分も同じように成功できるような気になって「よし、俺もやってやろう!」と、やる気が出てくるのは確かです。
その意味ではプラスの面もあるわけですが、こういった本で書かれている「成功法則」や「成功哲学」はほとんどが精神論・根性論の類であり、科学的な根拠を持ちません。
だから、読んだ後一時的にやる気になったとしても、その情熱は長続きしないのです。
どんなことでも成功するには長期間の努力が必要です。本を読んで一時的にモチベーションが上がっても、それが長続きしないことには何かをコツコツ続けられないということは明らかでしょう。
「これをやれば成功できる!」というような安易な成功本に頼るのは、あまりにも危険。
成功本をはじめとする、自己啓発書を読むのであれば、せめてそれが科学的根拠のあるものか、どんな人が書いているのかという点は確認しておきたいところですね。
(新刊JP編集部)
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