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“400戦無敗”伝説を築いた心の強さの原点とは ヒクソン・グレイシーインタビュー(1)

 出版界の最重要人物にフォーカスする『ベストセラーズインタビュー』!
 第52回目となる今回は、“400戦無敗の男”の異名を持つ伝説の柔術家ヒクソン・グレイシー氏が登場。
 日本では3年ぶりとなる新刊『心との戦い方』(新潮社刊)は、自身の半生をたどりながら、アクシデントでも冷静でいられる心を強く持つ方法、ベストを尽くすことの大切さなどを説いた一冊で、ヒクソン氏がこれまで戦ってきた相手についても語られているのがポイントです。
 実は新刊JP編集部、前作『ヒクソン・グレイシー 無敗の法則』刊行の際にもインタビューを行っており、3年ぶりのインタビューだったんです。そんな今回はヒクソン氏の心の強さの秘訣について探ってきました。
(インタビュー/新刊JP編集部・金井元貴、以下敬称略)

  ◇     ◇     ◇

■「グレイシー一族の名のために戦ってきた」

―この『心との戦い方』はとても勇気がわく一冊でした。一人の読者として、お礼を言わせて下さい。この本を書いてくれてありがとうございます。

ヒクソン「こちらこそ、ありがとう」

―3年ぶりの著作となりますが、この本を書いた目的について教えていただけますか?

ヒクソン「今回は、前回の書籍と比べて少し重きをおくところを変えています。心との戦い方、幸せの追求といった部分を伝えたいと思ったのです」

―本書を読んでいるときも、ファイトの映像を見ているときも、そして、こうしてお話をうかがっているときも、常にヒクソンが冷静であることに驚きます。その冷静さを保つ秘訣を教えていただけますか?

ヒクソン「冷静でいられるかどうかは、精神の持ち方次第です。例えば、自分が解決できることは、精一杯真剣に解決するべきです。また、解決できないことに対峙することもあります。そのようなときは、ゆだねる心を持つことが大事です。自分の力で解決できるかどうか、その判断力を持つためには、心の強さが必要です」

―その心の強さをどう身につけたのですか?

ヒクソン「常に私は一番を目指していますし、ベストを尽くしています。ただ、ベストを尽くそうとすると、苦労もありますし、自分の弱さと向き合わないといけません。そうしたことに立ち向かうことで、自然に心の強さが身についたのだと思います」

―本書ではヒクソンが戦った日本の格闘家について触れていらっしゃいます。山本宜久選手や高田延彦選手に対しては厳しい評価をする一方で、船木誠勝選手や中井祐樹選手を勇敢なファイターであると賞賛しています。勇敢なファイターの条件についてお聞かせくださいますか?

ヒクソン「私は常に対戦相手をリスペクトしています。それは、彼らをリスペクトすることが、同時に自分へのリスペクトにつながることを知っているからです。ただ、リスペクトをするのは、常にベストを尽くそうとしている人です。もし、リスペクトをしていても、ベストを尽くそうとしていないのではないかという姿が見えたら、その尊敬の念は消えてしまいます。
私はたくさんの試合をしてしまいましたが、嬉しいと思う試合は、相手の選手を尊敬しながらリングから下がることができた試合です。だから、勇敢なファイターとは、常にベストを尽くして戦おうとする姿勢を持っている選手のことですね」

―しかし、常にベストを尽くすことは大変難しいことだと思います。気分の上がり下がりなどに負けてしまうことはないでしょうか。

ヒクソン「私がベストを尽くし続けることができた要因の一つは、戦うことを目的とせず、自分の家族を守る、グレイシーという一族の名前を守るという目的があったからです。だからこそ、浮き沈みが少なかったのではないかと思います」

【続きは明日28日配信予定! ヒクソンが影響を受けた3冊の本とは?】

◇新潮社 ヒクソン・グレイシー『心との戦い方』特設サイト
http://www.shinchosha.co.jp/blog/special/506531.html

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3年ぶりの著作となる『心との戦い方』を出版したヒクソン・グレイシー氏

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