Aさん「この間ね、友だちと食事に行ったんだけど、全然予約取れないすごい人気のレストランなの! テレビで見たことのあるイケメンシェフもいて、料理も最高だったよ!」
あなた「へぇ~。そのシェフって…」
Aさん「でね、一緒に行った友だちの息子さんが第一志望の高校がダメで・残念がっていたけど、超難関だから元々無理だったんじゃないのって思ったわ~」
あなた「そう、それは残念…」
Aさん「料理は美味しかったんだけど、最後のデザートがなかなか出てこなくて…」
Aさんのように一方的に喋り続ける人、いますよね。こういう人に限って、自慢話や他人の失敗、噂、クレームなどが多く、聞いている方が疲れてしまいます。
では、こうした“疲れる”おしゃべりをしてくる人にどう対応すればいいのでしょうか。
西多昌規さんの『疲れる相手の話をきちんと聞く49のコツ』(実務教育出版/刊)では、疲れる会話をしてくる相手の話の聞き方を指南してくれます。
冒頭のAさんのようなタイプは、気分が高揚していることがほとんどで、ハイテンションな軽躁状態のなかで、多弁現象が起こります。
こうなってしまうと、打つ手なしと西多さん。教科書的な対応法はなかなかないので、あえて口を挟まず、共感を示して相手のフレーズをリピートしながら話を聞くことを勧めています。
特に不機嫌な相手の場合は、ロジカルな反駁(はんばく)は禁止。最初にある程度の時間を覚悟して共感と傾聴に努めれば、相手のテンションも発言量も段々と落ちてきます。
続いては「自己卑下が著しいネガティブな相手」の場合はいかがでしょうか。
後輩「最近ホントついてないことばっかり、この間も営業先で大失敗しちゃったんです」
あなた「誰でも失敗はあるもんだって」
後輩「仕事だけじゃなくて、恋人ともうまくいってなくて、会うとケンカばかりで」
あなた「人生そういうときもあるって」
後輩「でも、同期の中でもパッとしませんし、学歴もイマイチ…」
優しいフォローをしても、ネガティブ発言を連発。少しくらいのネガティブならいいのですが、言われることすべてがマイナスだと疲れてきてしまいますよね。
こういうとき、「もっと元気になれ!」「いつまでもクヨクヨするな!」などと熱く叱咤激励しても、実は励ました側の自己満足にしからないことがあります。なので、「受容的に聞く」ということを基本姿勢とし、相手の発言内容をそのままオウム返しにするといいでしょう。オウム返しは共感を示します。
ただし、「俺は何をやってもダメなんだ」といったネガティブなグチは、「何をやってもダメなんだね」とそのままオウム返ししてはいけません。これではただの悪口になりますので、多少マイルドな表現に言い換えて繰り返すことが大事です。
本書にはこのほかにも「傲慢で横柄な態度で接してくる相手」「八つ当たり気味に攻撃な相手」などのケース別対応方法や、「相手に気持ちよく話してもらうための心構え」といった、話の聞き方の基本が紹介されています。
コミュニケーションがうまくいかないと、人間関係がこじれてしまい、周囲にも悪影響を及ぼしてしまいかねません。もし、まわりに「話していると疲れるんだよな…」と思う人がいれば、参考にしてみると打開策が見つかるかもしれませんよ。
(新刊JP編集部)
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