好奇心旺盛な子どもたちは、時に大人が回答に悩んでしまうような問いをストレートに投げてきます。
その代表的な例が、性や生殖器についての質問。
どう説明しようか悩みどころですが、どのように答えればいいのでしょうか。
『ママもパパも知っておきたい よくわかるオチンチンの話』(金の星社/刊)は泌尿器科医である岩室紳也さん監修のもと、子どもの男性器の仕組みやトラブル解決方法などを説明している一冊。主に親向けに書かれていますが、たくさんのイラストや平易な文章から、小学校高学年や中学生でも充分に読むことができます。
そんな本書の中には、回答に悩んでしまう子どもからの質問に対する返答の仕方について、岩室さんのアドバイスが書かれていますので、紹介したいと思います。
■「赤ちゃんはどこから生まれるの?」と聞かれたら?
あなたがもし子どもからこう質問されたら、なんと答えますか?
岩室さんはまず、子どもの成長に合わせて答え方を変えることを勧めています。
例えば、小学校低学年までの子どもならば、詳しく話さずに「ママのおなかの中で大きくなって、いつもは閉じている小さな穴から生まれてくるのよ」などと言ってみてはいかがでしょうか。また、中・高学年なら、人の体について説明している図鑑を一緒に開きながら、勉強する形で教えることを提案してもよいです。
中学生以上ならば、学校の保健体育の教科書を見ながら、一緒に勉強するとよいでしょう。
■朝、勃起する理由を聞かれたら?
男子ならば、一度は話題にしたことがあるであろう“朝立ち”。これは思春期を迎える前の子どもでも起きる現象です。
“朝立ち”は睡眠のサイクルと関係があり、眠りの浅い時間帯に起こることがわかっています。そのため、もし子どもに「どうして朝、オチンチンが大きくなるの?」と聞かれたら、「寝ていると、こうして大きくなることがあるんだよ」「これは男の子なら、だれにでもあることなの」などと説明して、納得させてあげるのがいいと岩室さんは言います。
海綿体の中に血液が入り込んで…といった科学的な説明は、小学校高学年以上になってからがいいでしょう。
■「セックスって、なんなの?」と聞かれたら?
前の2問と同様、これもかなりの難問ですね。
岩室さんはまず、子どもがまだ小さければ、はっきりと答えないという選択肢もありえるといいます。「そのうちに、わかるようになるわ」などといって逃げてもいいのです。
もし教えるときは、保健体育の教科書や図鑑を一緒に見ながら、きちんと子どもと向かい合って説明してあげましょう。男女の体の仕組みの違いから避妊の大切さも含めて、しっかりと教えてあげてください。
岩室さんは「性教育に正解はないという意識が大切」だといいます。個人の体験を交えるときは、「自分の場合は」といった言葉をつけるように心がけましょう。
パソコンやスマートフォンなどを通して誰でも情報が手に入れられるようになった昨今、子どもたちが性についての間違った知識や情報にアクセスできるようにもなりました。だからこそ、親を中心とした大人による性教育は大事です。
そして、子どもに教えるためには、親自身が「性」と向き合う必要がありますし、子どものオチンチンのことを知ることはとても大切だといえるはずです。
本書では、男の子を一人前の男に育てるために必要なことが書かれているので、子育ての中で困ったときには参考にしてみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部)
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