仕事上で理不尽だと感じたり、ストレスが溜まったりしたことがない人はほとんどいないはずです。でも、「こんなのおかしい!」「納得いかない」と不平・不満を持っても、だいたいは飲み会で愚痴として吐き出して終わりということが多いのではないでしょうか。
不平・不満とは、「もっとこうすべきなのに」という、会社への期待の裏返しによって生まれるものです。ところが、実際に「これは問題だから直すべき」と思って少し声を出してみると、「君がそこに口を出さなくていい」と上司に言われることも多く、結局は、「自分の言い分など聞き入れてもらえないんだ」と諦めてしまいがちです。
本来であれば、伸び伸びと仕事して成果を出すのが理想ですが、誰もが、建前だらけの組織の窮屈さの中で毎日を送っているのが現実なのです。
そのような現実から抜け出すにはどうすればいいのでしょうか。
“ワーク・ライフバランス”の提唱者である小室淑恵さんは、そんな人たちが、今持っている問題意識は組織の改善に役立つ重要なものだとした上で、大事なのはその問題意識を正しく発信する“プレゼンスキル”を持つことだと言います。
特に若手時代は、ネガティブな感情が生まれてくると、「自分がまだ成長できてないせいだ」「自分の力が足りていないせいだ」と自責に走る傾向があります。しかし、そうしたネガティブな感情は、何かしら問題を察知しているから生まれてくるもの。それを客観的に捉え、ポジティブな形にしながら発信していくことで、改善の芽が生まれます。
小室さん自身、それに気づいた後でやり方を変えました。まず「会社のブランドは素晴らしいのに」などの前置きをした上で、「こうだったら素晴らしいと思うんです」とポジティブな提案を主張するように。すると、小室さんの熱心さが相手に伝わり、若手ながら中堅社員だけが参加を許される会に出席することができたといいます。
ポジティブに伝える――。これは相手の気分を害することなく、自分の提案を受け入れてもらうための一つのプレゼンスキルです。
また、働いている中で、意外に自分の努力が伝わりにくいと思ったことはないでしょうか。確かに頑張っていても、必ず人から認められるとは限りませんよね。
周囲から認められるには、自分の努力を正しく発信する力を身につけることが必要なのですが、ここで気をつけたいポイントが、「認められる≠目立つ」ということです。
自分の努力を認めてほしいときは、「目立ちたい」という気持ちを抑え、毎月上司が期待する成果を挙げられるように心がけましょう。それこそが「信頼される人」の最大の特徴です。
ただ、受け身になっているだけでは伝わらないというのも事実。
そこで大事なのが、上司に報告する際に“価値のある情報”を伝えることです。成果が出た理由も「たまたまです」「運が良かったからです」と謙遜するのではなく、「こういうことが成功の要因です」「前回のこの部分を改善した結果、成果が上がりました」といった具合に、成功の要因を誰もが応用できる形にして発信しましょう。
あなたが蓄積してきたノウハウが周囲から認められれば、努力も評価されるはずです。
こうしたプレゼンスキルを上げる方法は、小室さんの新刊『小室淑恵の人生プレゼン術』(学研マーケティング/刊)に詳しく書かれています。チャンスを引き寄せて、人生を好転させるためには、プレゼンスキルは必要不可欠。また、2人の若手ビジネスパーソンが小室さんに相談しながら成長していくというストーリーも掲載されているので、分かりやすく小室さんのメソッドを学ぶことができるはずです。
(新刊JP編集部)
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