落ち込んでいるときこそ、ポジティブに。そうやって自分を元気づけたり、人からアドバイスを受けた経験がある人は多いだろう。
しかし、元々ネガティブな人がポジティブ思考で頑張ろうとすると、とても気疲れしてしまう。これでは本末転倒だ。では、ネガティブな人はそんなときにどうすればうまくいくのだろうか。
『ネガティブシンキングだからうまくいく35の法則』(森川陽太郎/著、かんき出版/刊)では、嫌なことがあったときに落ち込んだり、緊張して本番でうまく喋れなかったり、不安があってなかなか一歩を踏み出せないようなネガティブな人でも、ありのままの自分で成功できるヒント「ネガティブだからうまくいく法則」を紹介する。
「絶対にうまくいく」とポジティブに前向きなことだけを考えようとして、いいイメージばかりしていると、緊張したり、ミスをしたりすることが「予想外のこと」になってしまう。そして、予想外のことが起こると対処するのに時間がかかったり、それを引きずってしまうことも多い。
また、「いいイメージだけで臨む」のは「悪いイメージのことが起こる可能性もある現実」から逃げようとする逃避行動にもなる。しっかりと自分の実力を発揮するためには、現実と向き合い、どんなことが起こりうるのか、悪いイメージも含めて具体的に予測し、その場に立ったときにどんな感情を持つのかを考えておくことが必要なのだ。
悪いイメージもあえて想像しておくことで、本当にその通りのことがあっても「予想外」ではなくなる。こうすることで、やみくもにポジティブに考えるよりも、臨機応変に対処できるようになる。
「あきらめたら負けだ」「恰好が悪い」というこだわりを捨て、執着しない考え方に切り替えることも、時には必要だ。
「絶対にできる」と信じ込もうとすることは「できない自分を認めないこと」でもある。「できないことを認める」ということは、今、自分が追いかけている道を断念することにもなるだろう。しかし、いくら努力をしても結果が伴わなければ、その道を前に進んでいくことはできない。そんなときに、「あきらめること」を受け入れることで、状況が変わることもある。
本書の著者である森川氏もサッカー選手としてスペインで成功するという夢を追いかけていたが、ケガにより断念。サッカーでは得られなかったものを、もっと自分にあった方法で得るための仕事は何なのかと考えた結果、メンタルトレーナーという職業を志すことになった。メンタルトレーナーになると、それまで欲しくてたまらなかった自信を、以外にも簡単に得ることができたという。森川氏のように、あきらめることができたから、もっと自分にふさわしい行動やふるまい方が生まれる可能性もあるのだ。
ポジティブ思考で頑張ってうまくいくならば、それに越したことはない。しかし、物事そう、うまくいくことは少ないだろう。肩肘張って頑張るのではなく、ネガティブな自分を受け入れてみるのもいいのかもしれない。
(新刊JP編集部)
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