企業が自社の製品やサービスを売るために最も必要なことといえば、なんといっても「集客」です。
どうすればこの「集客」を効率的よく、数多くできるのか。その方法の一つが広告ですが、大企業ならまだしも、中小企業は広告予算も限られており、「集客が思うようにいかない」というのは中小企業の経営者・マーケティング担当者に共通する悩みなのではないでしょうか。
そして、悩みのあるところには必ず、その悩みを解決する代わりに対価を要求するビジネスがあります。
『「いいね!」であなたも年収1億円 フェイスブックで2週間で儲ける方法』(佐藤みきひろ/著、講談社/刊)によると、中小企業では経営者やマーケティング担当者が集客についての知識を持たないばかりに、こういった集客代行ビジネスのカモになってしまうことがあるようです。
■大手広告代理店にダメにされる中小企業
広告代理店が手掛けている様々な広告枠のうち、中小企業が利用する機会が多いものに、フリーペーパーや、ECサイトがあります。
しかし、著者の佐藤さんは、これら広告代理店のサービスに頼るのはリスクも多いといいます。というのも、これらの広告は新規顧客の獲得のみにフォーカスしたものが多く、一人の顧客にいかに繰り返し商品・サービスを購入してもらうかが重要となっている今のマーケティングの状況とマッチしていないのです。
また、佐藤さんは広告代理店の担当者の多くが単なるサラリーマンであり、集客というものを深く理解していないことも指摘。自身が経営している飲食店の広告をフリーペーパーに掲載したにも関わらず効果が出なかったため、広告代理店の担当者に相談したところ、返ってきたのは広告のサイズアップの提案だけだったという自身の経験も語っています。
■ウェブ制作会社のお粗末
今では大小問わず多くの企業がネット上に自社のホームページを構えるようになりました。その際、ホームページの制作を請け負ってくれるのがウェブ制作会社ですが、多くの中小企業の社長は、「ホームページを作れる人=ネットでの集客も請け負ってくれる」と勘違いしてしまいます。
ウェブ制作会社はあくまでも、クライアントの要求通りにホームページを作るだけで、集客とは無縁です。
「ウェブでの集客をお手伝いします」というウェブ制作会社の営業文句に惑わされないようにしましょう。
■有象無象がはびこるウェブコンサルタント
ネットを使った企業の集客が盛んになるにつれて、増えてきたのが「ウェブコンサルタント」を名乗る人々。もちろん、成果に結びつくアドバイスを与えてくれるコンサルタントもいるのですが、その見極めは非常に困難。
あるウェブコンサルタントにコンサルティングを依頼し、3カ月の契約で90万円支払ったものの、提供されたのは2時間の面談を3回と、うまく行っている他社のマネをすればいいですよという安易なアドバイスだけだったという笑えないエピソードもあり、こちらもうかつに依頼すると悔しい思いをする危険があります。
今回は、会社をカモにする人々の例として、広告代理店・ウェブ制作会社・ウェブコンサルタントを取り上げましたが、このような「集客代行ビジネス」にカモにされるのは依頼する企業側にマーケティングの知識がなく、他社に依頼するしかないのが理由であり、彼らが悪いわけではありません。
今はネットを使ったマーケティングの知識と手法さえあればFacebookなどのSNSを使ってほとんど無料で集客ができる時代ですので、自分で勉強して、独自に始めてみたほうが得策です。
本書にはそのための基礎知識から具体的な手法が網羅されており、中小企業の集客・マーケティングの強い味方となってくれるでしょう。
(新刊JP編集部)
関連記事
「フェイスブック」 その落とし穴失敗から生まれた「フェイスブック」の"実名性"メディアが伝えない日本の真の問題"電子書籍元年"はいつまで"元年"を続けるのか?広告代理店、コンサル...中小企業をカモにする人々