ビジネスマンに必要な能力といったら、「話す」「聞く」「書く」そして「交渉する」だ。
基本的なことだが、それぞれ重要な項目で、テクニックが必要である。
『30歳までに手に入れたい仕事力99』(車塚元章/著、フォレスト出版/刊)では、「話す」「聞く」「書く」「人前で話す」「交渉する」「問題を解決する」といった6つの場面に分けてスキルを紹介し、ビジネスにおけるテクニックを身体的感覚で得られる。
日本の企業数のほとんどが中小企業で占められている中で、大企業相手の交渉など「どう見ても、力関係では相手の方が上」という場合はどうしたらうまくいくのだろうか。
例えば、政治の世界では議員の数がモノを言い、デモをするなら100人より1万人規模のほうが成果を望むことができる。同じように、交渉の場でもこの「数の論理」が使える。交渉では相手よりも多い人数であたること。相手が1人なら、こちらは2人か3人。相手が2人ならこちらは4、5人といった具合に人数を調整すれば、相手にかなりのプレッシャーを与えることができるだろう。
また、力関係を打開する方法は他にもある。
「ルールの論理」は文字通りルールや規制によって打開する方法だ。人はルールや規制に弱いもので、「決まっていることなら仕方がない」と相手に思わせる交渉テクニックの一つだ。まら、「地の利の論理」はすべての交渉に使える。ホームグラウンドで交渉を行うことで、リラックスして事に臨め、力を最大限に発揮することができる。
「いつもの交渉相手で、手の内も知られている」という場合は、言い方を変えてみるといい。
例えば「50%OFF」と「半額」ではどうだろう。どちらも同じ意味だが、どちらかというと「半額」という表現に魅力を感じる人が多いという。
このように、いつもの交渉相手でこちらの交渉の手の内も知られているようなら、言い方を少し変えてみるなどして、人の心理をついた提案をしてみるのも手だ。これを「フレーミング効果」という。
人は誰しも自分の基準点や枠組み(フレーム)を持っていて、それを基に物事を理解し、判断する。客観的に見て同じ事実でも、表現の仕方や状況によって、違う判断をしてしまう効果を狙った提案方法だ。
20代、30代の若いうちに、いろいろなテクニックやたくさんの経験を積んでおきたいもの。「数の論理」や「フレーミング効果」などテクニックを知っているのと知らないのでは交渉の場で大きな差がでるだろう。
本書で紹介されている99のテクニックにはそれぞれ難易度も表示してある。自分のレベルに合わせて習得していくことで、ビジネスマンとしてレベルアップできるはずだ。
(新刊JP編集部)
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