子どもの学力を伸ばしたい親や、子どもの学力が思うように伸びないことに悩む親は数多い。子どもの学力に悩む親はつい「うちの子は勉強が向いていないのかも...」と考えがちだがそんなことはない。
科学的に正しい方法で勉強すれば、子どもの成績は飛躍的に向上します。
『小学生30億件の学習データから導かれる 算数日本一のこども30人 を生み出した究極の勉強法』(文響社刊)の著者・今木智隆さんだ。
今木さんが代表取締役をつとめるRISUはオンライン教育事業を通じて全世界の小学生から30億件を超える情報を収集。本書ではこれらのデータを解析してわかった、子どもの成績を大きくアップさせる学習メソッドや子どもへの親の接し方を解説していく。
たとえば、夜遅くまで勉強をがんばっているわが子への接し方。 「えらい!」とほめるのと、「早く寝なさい!」としかるのとでは、どちらが子どもの学力は伸びるだろうか?
正解は、「早く寝なさい!」と叱ること。がんばっている子どもを叱るのは気が引けるものだが、夜遅くの学習は子どもの成績アップにあまり寄与しないばかりか、人生全体を考えるとマイナスも大きいのが実情なのだそう。本書では、これが習慣になっているようなら、早いうちに叱ってでもやめさせた方がいい、としている。
朝、起きてから親がご飯を用意している隙間の時間にRISUで学んでいる朝型の子どもと、夜20時以降に学んでいる夜型の子ども。それぞれの「学習スピード」と「継続時間」を比較すると、夜型の子どもは朝型の子どもよりも学習スピードでマイナス27%、「継続時間」に至ってはマイナス52%とスコアが大幅に落ちていたのです。(P22より)
どうせ学ぶなら効率のいい時間にやった方がいい。学ぶためのゴールデンタイムは朝なのだ。
論理的思考力をはぐくむ礎になるのが小学校の「算数」。親としても子どもの算数の成績は他の教科と比べても気になるものかもしれない。
では、小学三年生のわが子が算数のテストで80点をとった時、親として次のどちらの接し方がいいのだろうか。
A「いい点だね!」と家でほめる
B「80点ではだめ」ということで即座に対策
「ほめて伸ばそう」という最近の風潮からするとAのように思えるが、子どもの学力を考えるなら正解はBなのだそう。
というのも3年生のテストで極端に難しい問題はそうそう出題されない。きちんと計算ができて、最低限の式が立てられて、最低限の図形がわかっていて、検算の習慣さえあればほぼ満点がとれるのが3年生の算数なのだ。
そしてこの学年の算数には高学年になってからのカリキュラムで必要になる基礎が詰まっている。ここでの80点に満足して、「残り20点」をおろそかにしたら、そのつけは高学年以降にまわってくる。
ほめるのは大切なことだが、ほめるだけはダメ。どんな結果であれ点数に一喜一憂せずに、理解できていないところを潰すくせをつけるのも親の役目だろう。
◇
学ぶことが好きになれば学力は上がり、成績もよくなるのは真実だが、成績が上がることで学ぶことが好きになるのもまた真実。本書を参考に自分の子どもとの向き合い方をチェックして、子どもが伸びる方向に接し方を修正してみてはいかがだろう。
(新刊JP編集部)
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