夫婦共働き家庭が多くなり、育児・家事を分担して行うのが当たり前になってきている。
そんな中で「仕事だけしていればいい」と考える男性は減ってきており、むしろ「育児・家事に積極的に関わりたい」と本心では思っている人も多いのではないか。
ただ、こと育児になるとパパは「関わりたいけど、どう関わっていいかわからない」となりがちだ。ママがやっていることをそのまま自分もやるべきなのか、それともパパならではの育児への関わり方があるのか。奥さんの負担を軽くするには、そしていい子に育てるためには何をすればいいのか。考えることはたくさんある。
東京富士大学教授の鬼木一直さんの著書『パパだからデキる子育て術~元ソニー開発マネージャが教えるはじめてでも楽しい育児の秘訣71~』(幻冬舎刊)は、子育てに関する男性の迷いや不安を解消するヒントとなる一冊。
父親として、育児にどう関わればいいかがわからずに悩む男性は少なくない。もちろん、子どもをお風呂に入れたり、ごはんを食べさせたり、ひと通りのことはできるに越したことはないのだが、日常的に育児・家事をやってこなかった男性が急に張り切ると、かえって奥さんの仕事を増やしてしまうことになりやすい。ごはんを作ったはいいが食材を余らせてしまったり、台所にあるものを引っ掻き回して置いていた位置を変えてしまったり、お風呂に入れた後の片づけができていなかったり、といった具合である。
本書では、それならば子どもを外に連れ出して、思う存分遊んであげたり、焦げついたお鍋をピカピカにしたり、壊れかけたおもちゃを子どもと一緒に直すなど、奥さんがなかなかできないことをやってあげた方がいい、としている。必ずしも奥さんと同じことをする必要はなく、奥さんができないところを補うという子育ての参加の仕方もある。父親として、男性としての特性を踏まえてどんなことができるかを考える方が、子どもにも奥さんにも喜ばれるはずだ。
では夫婦で互いに補い合う育児で、男性は何を担えばいいのか。鬼木教授は「パパが子育てをすると子どもの好奇心や価値観の幅が広がる」としている。
ママは日常的に育児に関わっているため、細かいことが気になってしまうケースがあるようです。そこで、パパは将来の夢の話を聞いてあげたり、やりたい遊びを思い切りやってあげるなど、子どもと密に楽しみ、子どもとの距離を縮めることが必要です。(P 31より)
ママが毎日の細々としたことに意識が向かいがちなら、パパは子育ての大きな舵取り役を担えばバランスがいい。ただ、子どものいる日常生活で生じるちょっとした雑事を主体的に行うことも必要。子育てを「手伝ってあげている」という意識は捨てるべきなのは言うまでもない。
本書では、子育てで男性が持ちやすい悩みや、奥さんが旦那さんに対して感じる不満、子育ての中で父親がやるべきことと活躍できる場面、奥さんに言ってはいけないNGワードなど、子育てに関わるアドバイスが満載。
子育てに参加したい気持ちは山々だが何をしていいかわからないまま中途半端に手伝っては奥さんに小言を浴びている男性は、本書を読めば自分が今日から何をすればいいかがわかってくる。そして子育てが俄然楽しくなってくるはずだ。
(新刊JP編集部)
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