新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、訪日外国人旅行者数の大幅な落ち込みが現実のものとなっているが、2019年の訪日外国人旅行者数は3188万2000人(日本政府観光局発表)と過去最高を記録したように、ここ数年の日本のインバウンドは堅調で、政府は2030年には年間訪日客数6000万人を目標に掲げている。
一方、日本に来る外国人旅行者が増えれば、そのぶんトラブルも起きるというのは想像に難くない。2015年に日経リサーチがホテルや旅館などの宿泊施設を対象に行ったアンケートでは、約4割が「過去に外国人客とのトラブルがあった」と回答している。
もちろん、日本に来る外国人の中には、問題のある人物もいるのだろう。ただし、外国人観光客とのトラブルの圧倒的多数は、日本のマナーやルールを知らずに破ってしまっているケースであり、それは日本の観光施設側のメッセージが彼らにきちんと伝わっていない可能性がある、ということでもある。
2019年に大阪メトロのホームページで、堺筋線が「Sakai-Muscle」と翻訳(「筋」を「筋肉=Muscle」と誤訳)されているのが話題になったが、インターネット上でも街中でも、外国人から見ると明らかにまちがっていたり、意味が通じなかったりする外国語のメッセージが数知れずある。
もしかすると、あなたのお店や職場も、気づかずに外国人を混乱させたり、失笑させたりしてしまっているかもしれない。たとえば実際にあったこんな例がある。
あらためて解説するまでもないが、店舗側のメッセージは「レジの前で商品を開けないでください」でも「レジの前にある商品を開けないでください」でもない。「商品を開ける前に会計を済ませてください」である。
「こんなカンタンな英語もわからないのか?」とバカにしてはいけない。もはや外国人向けの案内は、英語版だけ用意しておけばいい時代ではないからである。
中国語圏からも、スペイン語圏からも、ポルトガル語圏からも旅行者はやってくる。英語に自信がある人でも、同じメッセージを中国語やタイ語で作ってみろといわれたら困る人は多いはずだ。いくら簡単な言い回しだからといって、何か国語ものメッセージを誤りなく準備するのは、至難の業だろう。
インターネット翻訳は日々進化しているが、なじみのない言語だと、その翻訳が正しいかどうかを確かめる方法がない。前述の「Don't open goods in front of the cashier」というまちがった英語メッセージも、もしかしたらネット翻訳をそのまま記載してしまった結果かもしれない。
『ようこそニッポン! 6か国語で貼って伝わる文例200【6か国語(7言語)を収録】』(ユーキャン刊)は、まちがった外国語メッセージを発信してしまうリスクをなくし、外国人旅行者とのトラブルを減らすことができる。
飲食店や温泉地などの観光施設やマンション管理などで必要になるフレーズを6か国7言語で同時並行に紹介しており、外国人へのメッセージとして想定しうる言い回しを広くカバーしている。
たとえば「海外発行のカードは使えない場合があります」や「不良品以外交換できません」など、英語ならなんとか文面を作ることができても、中国語や韓国語、ベトナム語となるとお手上げになってしまうフレーズにも対応している。文字としてタイピングして印刷するのが難しければ、ページをそのままコピーして使うことができるのもポイントだ。
店側や施設側はついつい手軽なネット翻訳に頼りがちだが、それだけで事足りるわけではない。出てきた翻訳が正しいものかを確かめる術がないのなら、ネット翻訳はかえってトラブルの元になってしまうことも考えられる。
自分の店や職場のメッセージを外国人に正確に伝えることは、トラブル回避の初めの一歩。外国人と少しでもかかわりのある職場やお店で働いているのなら、本書は役立つことが多いはずだ。
(新刊JP編集部)
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