「言いたいけれど言えない」
「会議で発言しようにも挙手できない」
「何をやっても長続きしない、集中できない」
こういった悩みを持っている人は多い。 一見バラバラのように見える悩みだが、実は共通して同じ問題に端を発しているのだ。それが「自信の有無」である。自信がないから言いたいことが言えなかったり、手を挙げられなかったり、物事が続かなかったりする。
では、なぜ自信のある人とない人がいるのか?
『「一生」の自信を「一瞬」でつくる本』(WAVE出版刊)の著者で、コミュニケーション心理著者として、セミナーやカウンセリングで3万5000人に自信を植えつけてきた松橋良紀氏は、本書の中で「それは"過去の失敗体験"に遠因がある」と説く。
日本人は「言いたいことが言えない」という人が多いが、それは、控えめに生きることを美徳とする文化が根づいているから、とよく言われる。しかし、少し考えてほしい。誰もが子どものころは、自由に発言していたはずではないか?
一方で、親や先生に「そういうことを言ってはいけない」とか「静かにしていなさい」、あるいは「生意気なこと言うな」と言われなかっただろうか?著者は、こういった過去の失敗体験が遠因となり、結果的に多くの人から自信を奪っていると明言している。
成功も失敗も、その大半は「自信の有無」が原因であることは間違いない。それなのに、「人前に立つと緊張してしまう」「コミュニケーションが苦手」「営業の成績が上がらない」など、ほとんどの方が自分に自信を持てていない。
そこで本書では、以下の「3ステップ」で独自のメソッドを解説している。
① あなたから自信を奪っている「洗脳」を解く
② 「ポジティブなアンカー」をつくる
③ 実際に行動に移して習慣化する
①の「洗脳」とは強い言葉に思えるが、実際のところ、「過去の失敗体験」とは「洗脳」という思い込みに過ぎないことがほとんど。
この本の中でも紹介されたエピソードとして、たった3人の女性と失恋しただけで「自分は女性にモテない」と思い込んでしまったケースが挙げられている。よくある話だが、冷静に考えてほしい。
人の人生を80年とすると、そのうち出会って会話する人数は約3万人と言われている。20歳の若者だとすると7500人となり、うち半分を女性だとすると3750人の女性と出会い、会話をしていることになるが、そのうち、たった3人に振られただけなのだ。
過去の失敗体験から自信を失っている人は、針小棒大にしてとらえている傾向が強い。過去の失敗体験とは、実のところ単なる思い込み、洗脳に過ぎないのだ。
自分が「洗脳」されていたことに気づいたら、次はポジティブなアンカー(錨)を作ることが大事。
アンカリングとはある種の条件反射。たとえば、かつて会議の場で失敗した経験から「自分は人前が苦手だ」と洗脳されている人は、会議=苦手というネガティブなアンカリングが成立している。これをポジティブなものに変えること。
本書で紹介しているメソッドは、自分が成功した経験を思い出しつつ、脳内に鮮烈なイメージが描けたところで、自分の腕をつかむこと。そうすることで、腕をつかむ行為がアンカーとなる。
さらに、一度このパターンを確立し、習慣にすることが出来れば、腕をつかむだけで自信が湧いてくるようになる。会議の前に腕をつかむ習慣を身につけると、それだけで成功体験が思い出されて脳内に強烈なイメージが瞬時に描けて、自信がみなぎってくる。いつのまにか、人前で発言することが得意にすらなっているのだ。
もちろん、これは会議だけに限らない。取引先との商談や顧客の新規開拓、店頭での声掛けやルートセールス、プライベートでも初対面の人と打ち解ける場面から結婚式でのスピーチを頼まれたときでさえ、「腕を握るだけ」で驚くほど効果を発揮する。
まさに、一生のものの自信が、一瞬でつくれる。折れない自分が、今後の人生で最強の武器にできるのだ。
(新刊JP編集部)
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