世界で活躍する一流ビジネスパーソンには、日本では考えられない育ち方をしている人が多くいます。
特にお金に関してです。親にしてもらう掃除の代金、食事の代金、それどころか、子ども部屋の家賃まで支払っていたという人も珍しくありません。食卓では「どの銘柄に注目しているか?」といった株に関する話題が飛び交い、今では「ブロックチェーン」「フィンテック」といったワードも、小学生にしてふつうに情報交換しているといいます。
一方、日本の教育では、「お金」について学ぶ機会はほとんどありません。それどころか、お金について公に話すことは、家族間であっても、はしたないだとか下品だとかいう風潮がいまだに残っています。
「その子がどんな人生を歩んでいくにせよ、絶対に子どもの頃から学んでおくべきこと。それは意外かもしれませんが、『お金』です。英語やプログラミングももちろん大切。だけど何より優先すべき勉強は、『お金』です」
こう話すのは、アメリカのメガバンク、バンク・オブ・アメリカで史上最年少にして全米No.1の営業成績を達成した、酒井レオさん。酒井さんは、ニューヨークで生まれ育った、両親が日本人の日系アメリカ人です。マンハッタンにある国連大学の幼稚園に通い、幼いころはユダヤ人のコミュニティの中で育ち、ユダヤのエリート家庭の教育を目の当たりにしてきたといいます。
ユダヤ人といえば、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ、グーグルのラリー・ペイジ、スターバックスのハワード・シュルツなどなど、世界の名だたる企業を生み出した「お金に強い」民族だといえます。そんな環境の中で育った酒井さんは、著書『世界最新メソッドでお金に強い子どもに育てる方法』(アスコム刊)の中で、
「お金を学び、お金に強くなることこそ、将来子どもが幸せになるためのパスポートである」
と断言しています。
酒井さんのいう「お金に強い」とは、かならずしも「大金持ち」を指すわけではありません。お金の価値や、お金によって世界が回っていることを学んでおくことで、将来「お金に振り回されない生き方をする」ためのスキルを持っているということです。酒井さんは、子どもがお金に強くなるために次のようなメソッドを紹介しています。
欧米ではエリート層ほど子どもに定額のお小遣いをあげていません。特にユダヤ人のエリート層で、子どもにお小遣いをあげている親はほとんどいないと言っていいそう。お金は労働の対価として得られるものだということを幼い頃から認識させるのが目的です。
たとえば、小学3年生のお子さんならば、次のようなルールを決めます。
・トイレ掃除 10円
・風呂掃除 30円
・配膳手伝い 10円
・食器洗い 20円
・洗濯物たたみ 10円
・掃除機がけ 20円
・ゴミ出し 5円
・新聞を取りに行く 5円
このように家庭内の労働のレートを設定して、労働の対価としてお金が得られることを習慣化させるのです。1日でこれをぜんぶしたら110円ですから、30日で3300円。日本の小学生のお小遣いの平均額は500円程度ですから、がんばって働けばたいそうな金額になります。
このように子どものころから、お金の価値を肌感覚として身につけておけば、将来お金で失敗することがなくなると酒井さんはいいます。さらに、「人はなぜ働くのか?」ということを実感として学んでいくことができます。
むちゃくちゃなことを言っているかと思いきや、冒頭に書いたように、これも欧米のエリート家庭ではわりと常識的。大人になってから、家賃を払わずに部屋を借りられたり、代金を払わずにレストランで食事はできないように、社会のルールを家庭にも適用させるのがこのメソッドの狙い。
「子どもにそんな冷酷なことはできない」と思われるかもしれませんが、ふだんの生活ではありあまる愛情を子どもに注ぐのは大前提。ルールだけをきちんと定めておくのが大切なのです。もちろん子どもに世間の相場の金額を請求することはできませんから、あくまで家庭内の金額を決めることになります。
たとえば、先ほどと同じ小学3年生の例でいうと、
・子ども部屋家賃(1ヵ月) 300円
・共有スペース家賃(1ヵ月) 200円
・食事代(1ヵ月) 1000円
・子ども部屋掃除代(1ヵ月、自分でしなかった場合) 1000円
このくらいに設定してみます。
すると子どもは自分の部屋の掃除を親に任せきりにした場合、1ヵ月2500円払わなければなりません。先の例で収入は3300円でしたから、そこから捻出してもらうことになります。このメソッドにより、子どもはお金によって自分は生かされ、世界はお金によって回っていることを理解していきます。そして、そのお金を稼いでくれている親への感謝やリスペクトの気持ちも抱くようになるはずです。
『世界最新メソッドでお金に強い子どもに育てる方法』では、お金に強くなり、子どもが将来幸せになるためのメソッドを47個紹介しています。世界のトップエリートが実践している子育て法を取り入れてみれば、あなたのお子さんも将来、マーク・ザッカーバーグのようになれるかもしれません。
(新刊JP編集部)
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