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なぜ凄腕営業マンは他社製品をホメるのか? 営業で使える「つい買いたくさせる」心理テク

  • 書名 売れすぎて中毒になる 営業の心理学
  • 監修・編集・著者名神岡真司
  • 出版社名すばる舎
  • 定価1512円
  • ISBN9784799106600
成果が数字となって出る「営業」は残酷な仕事だ。

たとえ同じ商品・サービスを扱ったとしても、「売れる営業マン」と「売れない営業マン」の差は、何倍どころか何十倍もの売り上げの差となって表れる。この差は一体なぜ生まれるのだろうか?

■「売れる営業マン」と「売れない営業マン」はここが違う



「いい営業マンは、商品を売る前に自分を売る」とはよく言われるが、「自分を売る=相手の信頼を得る」と考えればこれは正しい。では、信頼されるために営業マンは何をしているのだろうか。

「売れない営業マン」は「誠実・実直に顧客と向き合っている」と答えるだろう。しかし、「売れる営業マン」の答えは違う。彼らは顧客の心理を読んで、自分を信頼するように仕向けるのである。

たとえば顧客が他社のライバル製品を使っている時、営業マンの心理としては自社製品に関心を持ってもらうために、はっきりとは言わないにしても暗にその他社製品の欠点を指摘したくなる。営業マンであれば実際にそうした弱点や欠点には通じているはずだが、『売れすぎて中毒になる 営業の心理学』(神岡真司著、すばる舎刊)によると、これはご法度。

どのような形であれ、顧客が使っている製品をけなすのは「顧客の否定」だ。それによって自分や自社製品のイメージが良くなることは絶対にない。

「売れる営業マン」は、「けなせば意固地になり、ホメれば謙遜したくなる」という人間の心理を心得ている。だからこそ、

「○○社さんの製品をお使いですか。安心できて素晴らしい製品ですね」

と、他社製品を徹底してホメるのだ。こうすると、「いやいや、それがそうでもなくて...」という流れになりやすい。もし顧客が使用中の製品について不満を持っているなら、このタイミングで口に出すはずだ。

そうなったらしめたもの、その不満を解消する救世主として、自社製品をアピールすればいい。

■「売れる営業マン」はアピールせずにアピールする


上記の例からもわかるように、自社製品をアピールするタイミングは案外難しい。「営業マンはそれが仕事」とばかりにアピールに終始してしまうと、相手からは気に入られるどころか遠ざけられてしまうこともある。

「売れる営業マン」は、この「アピールするタイミング」の見極めと、「アピール方法」がうまい。自分の売っている商品の長所を武器にストレートに押すのも営業だが、その武器をひけらかさずにアピールする営業方法もあるのだ。

もし自社製品の長所が「高機能性」であれば、あえて他社の安価な商品を紹介してみると、それが自社製品のアピールと同じ意味合いを持つことがある。つまり

「耐久性にこだわらないのでしたら、他社にはもっとお安い製品がございます。」

などと言えば、直接的にアピールせずとも顧客には「安い他社製品」より「高性能な自社製品」が強く印象づけられるのである。



売りたい気持ちが先走り、商品をアピールすることに必死な営業マンと、商談相手の心理状態を予想しながら、先回りして話を進める営業マン、どちらが売れるかは明白だ。

本書はこの「心理」にスポットライトを当て、商談の雰囲気づくりから、商談の進め方、話し方まで、営業マン側が場を支配し、そして最終的に「買わせる」テクニックを紐解いていく。

熱意と誠実さだけではモノは売れない。着実に売るためのスキルとして、本書は営業マンに多くの学びを与えてくれるはずだ。
(新刊JP編集部)

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