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家族が教えてくれる、「会社のための人生」をやめるヒント

  • 書名 家族>仕事で生きる。
  • 監修・編集・著者名赤城夫婦
  • 出版社名SBクリエイティブ



近年、注目を集めている「日本人働き過ぎ問題」。少しずつ労働時間短縮への動きが広がっていますが、まだまだ夜遅くまで働いているサラリーマンは少なくありません。

一方で引き合いに出される欧米の働き方は、残業もなく、効率的に業務をこなす、というもの。それを可能にしているのは、人生に対する価値観の違いなのかもしれません。
つまり、人生のプライオリティを「仕事」よりも「家族との時間」に置いているのです。

「それでも仕事の方を優先しなければ...」という人に読んでほしい一冊があります。
本当の夫婦が書いた『家族>仕事で生きる。』(赤城夫婦著、SBクリエイティブ刊)です。

■初デートは会ってすぐに終了、それでも心を打たれたのは...?

著者の赤城夫婦は、夫・良典さんと妻・加奈乃さんの2人のこと。2人で株式会社夫婦の宝を立ち上げ、結婚生活研究家として活動しています。
この本には、そんな2人の出会い、結婚、出産、そして夫婦に相談に来る人たちのエピソードを織り交ぜながら、人生のヒントがつづられています。

しかし読めば読むほど、「変わり者」の2人。
例えば出会ったばかりのこと、初デートで良典さんは加奈乃さんに会うなり、こう言ったのです。

「あの、おなかの調子が悪いので、申し訳ないのですが帰ってもいいですか?」。

もちろん良典さんはデートに対しても、体調不良に対しても本気でした。加奈乃さんとの初デートに備え、寝ずにデートプランを考える入れ込みぶり。しかし、それが災いしたのか、体調を崩してしまったのです。

「なんて男だ...!」と思う人もいるでしょう。しかし、加奈乃さんは良典さんの、自分の調子が悪いことを正直に言えるという姿勢に心を打たれ、この人なら、自分が正直に話したときも受け止めてくれるだろうと考えたのです。

そんな2人の価値観は、生きていく上で本当に大切なものとはなんだろう?と考えさせてくれます。

■自分に限界を感じた時は家族と話そう

自分の良さは他の誰かが気付いてくれるものです。しかし、普段会社で仕事ばかりしていると、「その会社に最適化した人間」になってしまい、本来、人間として大事にすべき部分を失くしてしまうこともあります。

でも、もし家族がいるならば、家族が自分でも知らなかった自分の新たな魅力を指摘してくれることがあるはず。良典さんは、加奈乃さんにたくさんの才能を発見してもらったといいます。

また、夫婦で好きなものを紹介し合い、それぞれに興味を抱きます。お互い知らない世界に踏み出すわけですから、そこに新たな発見があることは間違いありません。

自分の思わぬ才能を掘り起こしてくれるのは、自分ではなく家族です。もし自分に限界を感じているならば、家族と話す時間を作ることが大事なのかもしれませんね。

 ◇

なんとなく遅い時間まで働かないといけない。働けば働くほど評価される。そんな時代はもう終わりつつあります。それでも仕事を最優先しなければいけない理由はなんでしょうか?

本書には家族を大事にする生き方にシフトすることでどのようなことが起きるのかが書かれています。

仕事よりも家族を優先することで、生活が苦しくなるのでは...? と考えてしまう人もいるでしょう。しかし、赤城夫婦は、家族を優先する生き方は「自分らしく生きるために収入や豊かさを捨てる」という「ダウンシフト」ではないと述べます。

例えば本気で家族の時間を確保する中で、効率を考えて仕事に取り組んだり、「これは本当に必要か?」という視点を身に付けることは、周囲からの評価につながるはず。また、思いきって、家族との時間のために在宅でもできる仕事に変えてしまう手段もあります。

もちろん仕事は大事。でも、今やっている仕事だけが全てではありません。本当は高収入を得られるスキルを持っているのに、目の前のことに忙殺されて視点を変えられないのであれば、これほど勿体ないことはないでしょう。
そんなときに、あなたの可能性を気付かせてくれるのが家族だったりするのです。

赤城夫婦は「人間にとって、家族は『根っこ』」だと言います。自分という人間の可能性を広げるために、家族の存在に目を向けてみてはいかがでしょうか。

(新刊JP編集部)

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