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いくつになっても始められる!「脳活」を続けるためのポイントとは?

  • 書名 死ぬまでボケない 1分間“脳活"法
  • 監修・編集・著者名帯津 良一、鳴海 周平 (著)
  • 出版社名ワニブックス
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喋り方や受け答えがしっかりしていて実年齢よりも若く見える高齢者がいるが、そういった人たちは、活動的で、よく笑い、いかにも人生を楽しんでいるように見えるのではないだろうか。

そんな人に会うたびに「ああいう風に年を取りたい」と考えるものだが、そのためには心身ともに健康であること、そして、脳が健康であることが望まれる。その健康な脳――「健脳」を維持していくには「脳活」が欠かせない。

そんな「脳活」を、誰でも簡単にできる方法で教えてくれる一冊が、『死ぬまでボケない 1分間"脳活"法』(帯津 良一、鳴海 周平著、ワニブックス刊)だ。

インタビュー後編となる今回は、著者である健康エッセイスト・鳴海周平さんに、100歳を超えても「健脳」だった人の話や、「脳活」を続けていくためのポイントを伺った。

(取材・文/大村佑介)



■「コミュニケーション」と「アウトプット」でボケを防止する

――ここまで、認知症予防という視点で「脳活」についてお伺いしてきましたが、今、認知症を抱えていらっしゃる方でも、脳活によって症状が改善したケースはあるのでしょうか?

鳴海:あります。
ご存命のときに、よくメディアに出ていらした「きんさんぎんさん」のきんさんの話ですね。

きんさんが90代に入ってから、なかなか人の名前が思い出せないとか、数字が上手く数えられないといった状態になったらしいんです。
ところが、ふくらはぎを揉むというエクササイズを始めたら、そういった症状が改善されたそうです。

足の血流というのは、体全体に血液を行き渡らせる上で、とても大事な箇所です。
ふくらはぎをマッサージすることで、全身の血液の流れ、脳の血流がよくなり、症状が改善されたのではないかと私は考えています。

もう一つあげるとすると、コミュニケーションの力もあったと思います。

年齢的にも、ご自身でマッサージをしていたのではなく、誰かに揉んでもらったと思うのですが、そうすると色々とお話もするでしょう。そうすることで脳が活性化したのだと思いますね。その結果、すっかり元気になられて、100歳になってもメディアで活躍するようになったと。


――現在、認知症になっている方でも、症状が落ち着いたというケースがあるわけですね。

鳴海:一度認知症になると、回復しないようなイメージは根強くありますが、そうではありません。

たとえば、「回想法」という脳を刺激する方法があります。
認知症の方は、最近のことを忘れてしまっていることが多いんです。でも、昔のことは結構覚えているものなんですね。そこで、昔のことを何度も話してもらうんです。つまり「回想」してもらうわけです。

それで何が起こるかというと、脳の記憶に関する神経回路が太くなってくるんです。
そこから、話してもらう内容の時間軸を少しずつ現在に近づけていく。
そうすると、徐々に最近のことも記憶に残るようになって、認知症の症状が落ち着くというケースもあるといいます。

また、これは本の中でも書かせてもらいましたが、「アウトプットをする」というのは、効果的な脳活なんです。

昔のことを話すというのは、思い出を「アウトプットする」ということなので脳に刺激を与えられますし、思い出話をするのには相手がいますから、コミュニュケーションにもなって二重にいいわけです。

ですから、認知症と診断されても、改善の可能性は捨てないでほしいです。


――認知症になると、徘徊や家族に対して暴力的になるといった周辺症状もありますが、そういった部分についてはいかがでしょうか?

鳴海:これは、周囲の人たちや環境にもよるところですね。

タイやベトナムは、お年寄りが尊敬される文化になっていて、高年齢な方ほど、神に近い存在として、一層、大切にされます。日本でも、沖縄の一部ではそういう文化があって、そうした地域に行くと、家族や周りに迷惑をかけるような症状は出ないそうです。

ご高齢の方に良い意味で気を遣ったり、尊敬するという空気があったりすると、精神的に安定するようです。ですから、ご高齢で認知症になっている場合、周りの方々の対応によって認知症という概念自体も変ってくるのではないかとさえ思います。

今は、昔のように三世代で一緒に住むという家が減ってきていますが、家族間のコミュニケーションが普段からできていて、良い関係が作られているというのは、とても大事だと思います。
人それぞれにライフスタイルがあるとは思いますが、できることなら日頃からコミュニケーションが取れる環境にしておくのが望ましいですね。


■まずは、1つの脳活から始めよう

――ところで、脳活はやはり続けることが大事だと思いますが、継続させることが苦手な人でも長続きさせられるコツのようなものはありますか?

鳴海:実際に、健康法をはじめても、続かないという方はいると思います。
でも、今回の本は、そのような方々のためにあります。どれも1分でできて、生活に違和感なく取り入れられて、やっていてつらくなるようなものはないはずですから。

それが、大きい項目だけで27個あります。さらに、ステップアップしたものや小さい項目を合せると、40個近くはあります。それだけあれば、自分に合ったものや長続きしそうなものが、必ずあるはずです。

なので、その中から色々試してみて、「あ、これは続きそうだな」と感じるもの、やっていて楽しいと思うものがあったら、1つでいいので、それを続けてください。
本当は、複数の種類をやるのが効果的ですが、とりあえずは、1つでも続けてみる。

ちょっと続けてみると、効果が実感ができるので、「あ、こんなに効果があるんだ」ということがわかると思います。そうすると「他のものもやってみよう」という気になりますから。

たとえば、「朝、一杯の白湯を飲む」というものがあります。これは誰でも簡単にできますし、何か苦労するようなこともありません。そういった本当に簡単なものから始めてみるだけでいいんです。


――では、最後に「これから脳活を始めよう!」「しなきゃいけないな」と思っている方に、これは心に留めておいて欲しいというメッセージがあれば、お願いします。

鳴海:最新の脳科学で明らかになっているのは、「脳はいくつになっても成長し続ける」ということなのだそうです。何歳になっても関係がなく、ずっと成長する。

だから、脳活を始めるのに遅すぎるということはありません。いつからでも、この「1分間脳活法」を習慣にしてもらえたらいいなと思います。


(了)

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