成功者たちは「成功するべくして成功している」――。
それを裏付けるのが「帝王學」という学問の存在だ。
しかし、普通に生きている私たちは「帝王學」について触れる機会はない。では、この成功を手繰り寄せる学問をいかにして学べばいいのだろうか?
それは本を読むしかない。『成功者はなぜ、帝王學を学ぶのか』(現代書林刊)は、そのエッセンスを学べる一冊だ。
本書を執筆した環境ジャーナリストとしても活動している信和義塾大學校塾長の中野博氏に、「帝王學」についてお話をうかがった。
(新刊JP編集部)
■「答えがないから考えるしかない」学問、「帝王學」
――前編で7年前に「帝王學」と出会ったとおっしゃっていましたが、中野さんは「帝王學」を身につけられて、行動や思考がかなり変わったのではないですか?
中野:変わりました。それまでも、ジャーナリストとして世界中に取材に行ったり、ビジネスフォーラムに出かけたりしていましたが、「世界がビジネスマーケットである」という発想には至りませんでした。
ただ、ジャパンブランドの可能性を考えても、世界中に市場があるということは揺るぎない事実です。日本が世界に負けない国になるには、世界を見据えた思考を身につけないといけません。それは強く痛感しましたし、「帝王學」を学んでからは自然とそういう考え方をするようになりました。
――本書は30の設問を通して「帝王學」を学んでいきますが、答えがないものも多いですよね。
中野:そうなんです。答えがないから考えるしかない。あとはいかに「気付くか」ですね。気付きなければ世界では太刀打ちできません。「気付き」はビジネス能力の高さ、低さに関係なく、主婦の方が家事をしているときにひらめいたことが世界的なビジネスになるかもしれないということです。
――今、世界のトップにいる人で「帝王學」を駆使している存在として思い浮かぶのは誰ですか?
中野:そうですね…。安倍晋三首相はそうだと思います。また、実業家でいうと孫正義さんと柳井正さん。視野が広く、どれだけ多くの人を救えるかという視点に立って物事を見ています。
彼らの発言を聞くと、「帝王學」のエッセンスが入り込んでいますね。
――そのエッセンスは発している言葉に対して自然に入り込んでいるんでしょうか。
中野:そうだと思います。染み込んでいる感じですね。
また、彼らはしっかりと「帝王學」を勉強されています。孫さんは坂本龍馬からの影響を公言していますが、坂本龍馬も「帝王學」を身につけている人ですし、そこに加えてご自身でも深く勉強されているように感じますね。
――本書の中で、「帝王學」は人を選ぶと書かれていましたが、どんな人が「帝王學」に選ばれるのでしょうか。
中野:世の中を良くしたい、社会を変えたいという人は「帝王學」に選ばれると思います。そういう心が根になければ、スケールの大きな事業はできません。自分だけの満足ではなく、周囲の人たち、社会全体のことを考える利他の心があると、思考の枠組みが大きくなるんです。
孫さんや柳井さんは、世界レベルの思考をしているわけですよね。そういう日本人がもっと増えてくれば、日本経済の未来にとっても良い影響が出てくるはずです。
――では、「帝王學」を身につけるべき人はどんな人ですか?
中野:やはりリーダーたち。国のリーダー、地域のリーダーというと政治家ですよね。また、実業家もそうです。政治や実業を使って、日本を良くする人たちには身につけてほしいです。
また、もう一つ大切なのが、未来を作る若者たちに学んでほしいですね。実は今のリーダーたちに身につけてもらうよりも、若者たちに勉強してもらった方が、日本が成長するスピードは速いと思います。だから、エッセンスを本にまとめて、誰でも安価で学べるようにしたんです。近い未来に「あの本を読んだから変われました」という成功者が出てきたら嬉しいです。
今まで6年以上、「帝王學」についていろんな人に教えてきました。でも、聞いているふりをしているだけで変わらない人もたくさんいます。どれだけ素晴らしい学問であってもそう。だから、数%でもいいので、「帝王學」を身につけて、実践する人が出てきてくれれば嬉しいですね。
(了)
『成功者はなぜ、帝王學を学ぶのか』(現代書林刊)